chemSHERPAは、RoHS2証明書を集めるより便利で楽なのか?RoHS2証明書の代替になるのか?(QA2)

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Q&Aの2回目は、chemSHERPAというスキーム自体に関するものです。

chemSHERPAは、RoHS2証明書を集めるより便利で楽なのか?RoHS2証明書の代替になるのか?

この問題も結構質問として、セミナーなんかでも受けることがあります。

chemSHERPAは、RoHS2証明書を集めるより便利で楽なのか?

この問題は、この後にも解説しますが、chemSHERPAのデータとRoHS2の証明書をどのように判断するかに依存します。

ただ、chemSHERPAは現在かなり普及したとは言え、RoHS2証明書を集めるより楽か?と問われれば、楽じゃないだろうというのが管理人の答えです。

なぜなら、chemSHERPAのデータ作成の点からいえば、他の管理対象物質を構成している他の規制や業界標準のデータを調べて埋めなくてはならないからです。

RoHS2証明書を集めるより便利なんですか?という質問に対しても、RoHS2証明書のみが必要ならchemSHERPAは便利ではないでしょう。
ところが、最近は、RoHS2の証明書だけで物事は済まない場合が多いです。通常RoHS2証明書が必要な企業は、欧州に製品を出荷しているでしょうから、REACH規則やSCIPに対応するための情報が必要なことも多いでしょう。

そのような場合はchemSHERPAの方がデータを集めるという点では便利かも知れません。

chemSHERPAは、RoHS2証明書の代替になるのか?

実は、これはchemSHERPAとRoHS2証明書をどの様に判断するかにかかっています。

通常、RoHS2証明書を受取る側は、この証明書を持って納入された製品がRoHS2に適合したものだと考えると思います。

一方、chemSHERPAのデータにもRoHS2に対応する項目が存在し、そのデータが記入されています。ところが、chemSHERPAの利用ルールには、
6.6の責任ある情報伝達の項目に、

「責任ある情報伝達」とは、chemSHERPAの情報伝達スキームを用いて伝達される製品含有化学物質情報に「保証」を与えるものではない。

という一文があり、

情報に対する「保証」の扱いについては、B2Bで取り決められるべきである。

という文が続いています。

従って、chemSHERPAは、RoHS2証明書の代替になるのか?という質問に対しては、データの発行者側と受取側がお互いそれでいいという合意があれば、代替になりますが一般にはならないことになります。

RoHS2証明書は、通常、責任者印などが押印されている場合も多く、ある種会社としての公式な文書になっている場合もあります。

chemSHERPAにおいても、承認プロセスが組み込まれてはいますが、その効力がどこまでかは、会社に依存することになります。

この辺りは、突き詰めていくと売買契約の話になるので、化学物質管理の話だけではなくなります。
ということで、今回はここまで。


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Q&A
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コメント

  1. ステップ より:

    どぉも。

    『ほんそれ。』(笑)。
    シェルパを普及させる目的(方向性)の一つに、サプライヤーの手間を軽減させるという内容があったと思います。ですのでJAMP内で取りまとめたアンケートの中には、「提出する資料は減ったか?増えたか?」という項目があるぐらいです。
    結果、まったく減っていません(汗)。そっくりシェルパが増えた。というお客様もいますし、最も手間がかからないお客様だと、独自の集計ツールとシェルパAIを組み合わせて、ICPデータと不使用証明書の添付で済んでいる・・・ぐらいでしょうか。

    多くのコメントが集まるような気が・・・(笑)。

    • OFFICE KS より:

      ステップ様、コメントありがとうございます。
      うーん、確かに提出資料は、減ってないですよねえ、きっと(^^;。多分、減るためには、自社の調達基準のchemSHERPAのデータを証明書として使えるという扱いにならないといけないんでしょう。
      契約書の書き換えが必要かもですね。それに、chemSHERPAだけで間に合うという会社も多くはないのでしょう。
      そうできる会社には、そうしてもらったほうが楽なはずなんですけどね。

  2. 南南東の住人SN より:

    個社様式の証明書提出を要求しない方向で検討を進めていますので、chemSHERPAからの適合確認の手順についてご相談しようかと思っていました。入力方法についての説明はよく見かけますが、逆にchemSHERPAのデータや情報を読み取って、自社のグリーン調達基準への適合を確認していく手順等を解説したものをまだ見かけた記憶がありません。chemSHERPAのみ提出と決めている川上側の会社もあり、chemSHERPA受取りのみでユニット物になると行数が多い為、読取や判断に結構手間がかかっています。含有判定Y/Nで入力が間違っているデータもあったりで、中小企業ゆえ私以外で同僚で読み取れる人は1人いるかどうかという状態です。(ただ、私の数年先の退職予定もあり、人員は増えていますが、、)

    その辺の適合確認作業の効率化が進められれば、JAMPのHPで言っている個社様式の削減が進められるのではと思われまが、そうでないと、グリーン調達管理基準についての非含有証明書(1,2ページ程度)を見た方が勝手ながらはるかに適合確認が容易なのが現状です。

    ただ、chemSHERPAのみですと早く受取れ、chemSHERPAのみ提出のメーカーもありますので、徐々に川下側が対応を進めなければと感じています。周りの同僚たちのレベルアップと、手順書の整備やエクセルマクロ等も使って作業の標準化、効率化を進めなければと思っています。この件については別途個別にご相談させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。よろしくお願いします。

    • OFFICE KS より:

      南南東の住人SN様、コメント、ご相談ありがとうございます。
      管理人でよければ、可能な部分はお手伝いさせていただきますよ。最もどこまでできるかわかりませんが。
      個社の問題だと思いますので別途個別に連絡を頂ければと思います。
      よろしくお願いします。

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