調達先から不十分なデータしか来ない、データそのものを拒否される時は?(QA5)

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Q&Aの5回目は、

QA4の何でもいいから回答してよ!にはどう対応する?の表裏の関係になる調達先から不十分なデータしか来ない、もしくはデータの提出そのものを拒否される。

です(^^;。

これも製品化学物質の情報伝達においては現実にはまだまだあると思います。

不十分なデータしか来ないことは、十分にあり得る

自社がお願いした製品化学物質の情報伝達依頼に対して不十分な情報しか返って来ないことは、十分にあり得ます。

理由は様々ですが、何らかの理由で実際に調査を受けた側(供給者すなわち調達先)が十分なデータを実際に持っていないということが多いと思います。

例えば、今年はPFASに関する調査要求が多く出回っていると考えられますが、自社の製品に対して完全に全てのPFASの種類と有無を把握している会社は未だにそれほど多くないかもしれません。

そこに、意図的添加のみにしろ回答を現時点で要求しても正しいかどうかという検証はかなり難しいでしょう。

管理人がPFOSの際に調査した経験からすると、このような化合物は、微量の意図的添加で効果を発揮するので、サプライチェーンでの調査は非常に困難でした。

現在は、10年前に比べれば情報伝達に対しても精度が上がり以前ほど困難ではないかもしれませんが、PFASの場合は対象物質が多すぎます。

また、chemSHERPAやIMDSのような電子的なシステムでの回答を要求した場合、供給者がそれを知らない若しくは対応できていないということも考えられます。

この場合は、供給者に対して対応してもらえるようお願いするか、もしくは、可能な限り情報をもらって自分でデータを作ることになります。

どちらにしても、かなりの労力を要します。

データ提出そのものを拒否される

管理人が現役だったころは(遠い昔だなあ)、未だに当社はそういうデータは提出しないことに決めている(もちろん、法的に決められているSDSは別です)と公言している原材料メーカーさんがいました。

いやそれってどういうことよ、と言いたくなるわけですが、現在はさすがにそんな答えをしてくるメーカーは無いと思います。そんなこと言ってたら、取引してもらえなくなっていくことになるでしょう。というか、そんなことが無いように売買契約書に紐づくようにしておきましょう。

ただ、海外のローカルメーカーでは、新たに取引を始める際に「何それ?」そんなデータ無いから出せないよというメーカーは、未だに無いとは言えないかもしれません。

その場合は、そのメーカーとの取引を諦めるか、教育するかは判断が分かれることでしょう。

川中企業の場合、調査側にも回答側にもなるので対応はなるべく一本化しておきましょう

ここからは、QA4の何でもいいから回答してよ!にはどう対応する?も含めた内容になります。

このような製品化学物質の情報伝達は、最下流メーカーの場合、ほぼ調査側だけになります。
実際には複数の事業を展開している企業が多いので全体としては、調査側、回答側両方であることが多いですが、最終製品を作っている事業部門はほぼ調査側になります。

最上流の原料メーカーは逆にほぼ回答側になります。

その間の川中企業は、一方では回答側なのですが、もう一方では調査側にもなります。この際、社内の運用は基本的な部分で一本化していないと情報伝達ということに関してはいろいろ面倒なことが起こります。

例えばの例ですが、X社のA事業部とB事業部の情報伝達に関するルールが異なっており、どちらの事業部もC社の部品を調達しているとします。C社にとっては、これは二つの会社と情報伝達業務をしているのと同じです。

もちろん、A事業部とB事業部は全く同じものを作っているわけではないので、微妙にルールを変えなければならないのかもしれませんが、基本的なフォーマットやルールが同じであれば回答側のC社の負担は軽くなります。

更に、自分たちが回答側になってY社に対してA事業部とB事業部の製品を納める場合は、Y社に異なる書式やルールで答えることになるため、Y社にとっても二つの会社と情報伝達している感覚になります。

以上のようなことから、A事業部とB事業部で全く同じにはできないにしても、共通化できるところや基本的な運用ルールだけでも一本化したほうが自社にとってもより良いと考えられます。

各社がグリーン調達基準としてルールを可能な限り一本化するのもそのためです。

また、川中企業において、回答側としてのルールと調査側としてのルールがあまりにかけ離れているのも問題になります。回答側としてはchemSHERPAのみの対応を行い、調査側では毒劇法や化管法の物質まで調査することはある種の混乱を招きます。事業所で必要なそのようなものを調査する場合は、きちんとSDSをもらいましょう。

QA4とQA5は裏表の関係だが微妙に違う

何でもいいから回答してよ!にはどう対応する?(QA4)と調達先から不十分なデータしか来ない、データそのものを拒否される時は?(QA5)は、一つの事象を裏表として見ている状態になると言えます。

しかしながら、現実を見ると完全な裏表ではないのかもしれません。

というのは、最下流の最終製品を製造している製品含有化学物質に関する認識と最上流の原衣料メーカーのそれに対する認識は、かなり異なります。

これは、セミナー講師を10年ほど行っている管理人の経験からそう思うのです。

この認識の差の詳細は、管理人にも完全にはわかりませんが、確実に存在します。

従って、顧客や供給先(調達先)との間のコミュニケーションというか認識の一致が非常に重要です。

なんか今回の記事は、とりとめのないものになってしまいました。QAの記事は、いったんここでちょっと休みを頂きます。また、コメントの中でQAが溜まってきたり、必要なものが見つかりましたら記事化していきたいと思います。

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