REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説ですが、前回の2022年6月の追加物質が一つだったのでやりませんでした。
前回は、REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(20)で、1年近く前の記事になっています。
2023年1月17日に第28次SVHCとして、新たな物質(物質群)が9個足されたので、このシリーズを再開したいと思います。
今回は、1,1′-[ethane-1,2-diylbisoxy]bis[2,4,6-tribromobenzene]です。
第28次SVHC 1,1′-[ethane-1,2-diylbisoxy]bis[2,4,6-tribromobenzene]の基本情報
では、まず 基本情報を見てみましょう。
化学物質名:1,1′-[ethane-1,2-diylbisoxy]bis[2,4,6-tribromobenzene]
和名:1,2-ビス(2,4,6-トリブロモフェノキシ)エタン
別名:1,2-Bis(2,4,6-tribromophenoxy)ethane、1,1′-[エチレンビス(オキシ)]ビス(2,4,6-トリブロモベンゼン)、ビストリブロモフェノキシエタン、FF-680
化学式:C14H8O2Br6
構造式:
分子量:687.64
CAS RN:37853-59-1
EC No.: 253-692-3
融点:222-223 °C
この化合物は、臭素系の化合物で構造式的にはPBDEやPBBに似ています。
1,1′-[ethane-1,2-diylbisoxy]bis[2,4,6-tribromobenzene]の危険性は何か
ECHAのSubstance Infocardによれば、企業がECAHに提出したCLPの通知では、危険有害性が分類されていません。
ですが、難分解性、生物蓄積性、毒性として評価中と書かれています。
今回、SVHCに選定された理由は、以下のようになっています。
Very persistent and very bioaccumulative (REACH Article 57 e)
非常に難分解性で生物濃縮性が高い Article 57 e
1,1′-[ethane-1,2-diylbisoxy]bis[2,4,6-tribromobenzene]の使用用途はどこか
今回のSVHCに関するECHAのリリースによれば、この物質はREACH登録されていないとされていますので、実際の使用用途は把握されていないことになります。
一方、日本のCHRIPにおいては、化審法では番号が振られている、アメリカのTSCAでもインベントリとしてあり、韓国、台湾でも既存化学物質になっています。
使用用途を見ると、ABS用難燃剤となっています。
構造式からしてそうだろうな。
欧州としては、使用抑止のためにやっていることになりますので、欧州向けには使用しないほうがいいでしょうね。
REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説のシリーズが多くなる
今回の第28次SVHCは、9物質も追加されたので、あんまりゆっくり解説していると役に立たなさそうです。
ですので、直近ではREACH SVHC:追加分だけゆっくり解説のシリーズが多くなるが多めになる予定です。
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