REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(23)

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REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(23)です。

今回は、第28次SVHCの三つ目、4,4′-sulphonyldiphenolです。

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第28次SVHC 4,4′-sulphonyldiphenolの基本情報

では、まず 基本情報を見てみましょう。

化学物質名:4,4′-sulphonyldiphenol
和名:4,4’-スルホニルジフェノール (NITE CHRIPから)
別名:bis(4-hydroxyphenyl) sulfone、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールS、Bisphenol Sなど
化学式:C12H10O4S
構造式:
分子量:250.27
CAS RN:80-09-1
EC No.: 201-250-5
融点:245-250 °C

形だけ見るとビスフェノールAの真ん中の部分が、SO2に置き換わった形をしているのでビスフェノールSと呼ばれるんでしょうね。

4,4′-sulphonyldiphenolの危険性は何か

ECHAのSubstance Infocardによれば、REACH登録において企業がECHAに提供する分類では、この物質は生殖能力または胎児に損傷を与える可能性があるとされています。

また、ネット上での試薬メーカーのSDSでは、皮膚腐食性/刺激性、強い眼刺激、水生生物に有害、長期的影響により水生生物に有害、呼吸器への刺激のおそれなどの記載があります。

この物質がSVHCになった理由は、生殖毒性 Article 57 c、内分泌かく乱作用 Article 57 f – 環境、内分泌かく乱作用 Article 57 f – 人の健康となっています。

4,4′-sulphonyldiphenolの使用用途はどこか

ECHAのSubstance Infocardによれば、

この物質は、欧州域内で10,000t/y以上生産もしくは輸入されています。

この物質は、成形品、専門家による使用(広範囲な使用)、製剤または再包装、工業現場および製造において使用されます。

この物質は、革(例:手袋、靴、財布、家具)、紙(例:ティッシュ、生理用品、おむつ、本、雑誌、壁紙)、印刷物など通常の使用で直接皮膚に強く接触する製品に用いられる紙をベースとした製品で見つけることができます(例:新聞、書籍、雑誌、印刷写真)。更に、個人衛生用品(例:おむつ、女性用衛生用品、大人用失禁用品、ティッシュ、タオル、トイレットペーパー)のような通常の使用で直接皮膚に強く接触する物品に使用される紙をベースとした製品で見つけることができます。

工業においては、皮革処理製品、製紙用化学品および染料、ポリマーおよびコーティング製品に使用されます。そして、パルプ、紙および紙製品、繊維、革または毛皮および化学品の製造に使用されます。

一方、日本のCHRIPによれば、この物質の用途として、染色助剤,難燃剤,写真用カプラー原料が書かれています。また、取り扱っているメーカーのHPには、感熱記録紙顕色剤の記載もあります。

現在この物質の生産企業は、試薬などとしてのものを除けば、中国企業だけのようです。

まだ使用されている物質と考えられます。

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