製品化学物質管理における経験や事例(その6)

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皆さま、こんにちは、管理人です。今年のゴールデンウイークは、管理人も10連休に近いものがありましたが、特にどこにも出かけませんでした(;;)。

さて、製品化学物質管理における経験や事例シリーズの第6回目です。

このシリーズは、2002年1月(もしくは、2001年11月or12月)から製品化学物質管理に関わってきた管理人が経験したことや事例を書いていくものです。

さて、今回のお話は、製品化学物質管理における経験や事例(その1)に書かれている、日経XTECHの「【闘いの軌跡】はんだのPbフリー化」のシリーズ記事の第7回、第8回あたりに書かれているグリーンパートナー制度に絡んだお話です。

とはいってもグリーンパートナー制度そのものの説明ではありません。そこは、記事をご覧ください。

グリーンパートナー制度は、正確には「グリーンパートナー環境品質認定制度」と言い、実際の事業所に監査員が出向き、決められた項目に対して基準を満たしている事業所をグリーンパートナーと呼ぶというかそこからしか買わないことにするという第二者監査です。

これを2002年4月に説明会を実施し、2003年4月からの全面施行をするといったのです。これは、調達先にも実施する自社にも莫大な工数と労力がかかりました。当然、怨嗟の声もありました。

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どうやって維持するんだ

カドミウムに関する出来事のすぐ後での対応でしたし、これをやらなければ会社が危ういといことで、このグリーンパートナー制度の確立と実際の納入部品に対する測定に関する仕掛け(このシリーズでいつか書くでしょう)は、それはものすごいエネルギーの塊となって全社を挙げて行われました。

化学物質に関する監査員なんて当然いませんし、作るところからです。チェックすべき項目も作成されました。そして世界中の調達先の事業所に監査に行ったのです。

監査合格するとグリーパートナーの認定書というものが渡されることになりました。

とまあここまでは、初期のエネルギーでやり切ったわけです。

監査の認定の有効期間は2年とされました。ということは、ものすごい労力を使うこのプロセスが2年に1回やってくることになります。そんな工数と余力が有るかと言えばそんなことはありません。実業に支障をきたすほどの無理をしながら最初はやったのです。

とはいえ、グリーンパートナーになった会社では禁止されている化学物質の混入事故が全く起きなかったかと言えば、そんなことはありません。

これは、ISO-9001を取っていても、品質事故は無くならないのと似ています。

そして、このグリーパートナー制度をどうやって維持していくのは、大きな問題になっていきます。年がら年中それに工数を裂き続けることができないからです。

簡略化したいのに…

当然、少ない工数と人数でグリーンパートナー制度を維持するにはどうしたら良いかが議論されるようにになってきます。

大手さんなら大丈夫じゃないか?自己申告はどうだ?監査項目で重要な点だけに絞る?などなど当時いろいろな議論があったのは事実です。

更には、調達先のメーカーからうちはちゃんとやってるんだからあんな監査なんか二度とする必要はない!
という感じで、食って掛かるメーカーさんもいました。

しかしながら、何らかの形でリスクの高まりは最小限で、より効率的な制度を考えようとしていると、化学物質の混入事故の報告が上がってくるのです。

こうなると、従来の厳しい制度を続けていくしかなくなってしまいます。

簡素化の検討と混入事故の報告は、当時は交互にやってきて、実際にこの制度の簡素化が始まるのはRoHS指令が施行されて2年以上たってからでした。

マーフィーの法則そのまんまです(^^;。

業界全体としての認識共有が事故の削減につながる

2006年7月に最初のRoHS指令が施行されて、これに対応しなければならない日本の電気メーカーは、グリーンパートナー制度のような監査の仕組みや各種測定機器による分析データの報告の義務化や実際に自らも測定をしたりしていました。

それでも、化学物質の混入事故はすぐには無くなりませんでした。実際に数が減ったのはRoHS指令が施行されて数年たってからです。

上のような活動をカドミウムの事件以降、日本の電気メーカーはどこも行ったため、そこに連なっているサプライチェーン上のメーカーにおいては、化学物質を管理する仕組みが個々の会社で確立されていきました。

つまり、業界としての認識の共有(今回の場合は、製品化学物質管理は必須項目でやるべきことはこういうことだという内容)が事故の削減につながったと管理人は考えています。

グリーンパートナー制度における監査項目が、現在の「製品含有化学物質管理ガイドライン」の本当の源流になっているはずです。ここは、異論のある人もいるかな。もちろん、項目や書き方はどんどん変わってはいますけれどもね。

このブログも認識の共有に役立ててほしい

管理人偉そうなこと書いてますが、実際には宣伝とも言います(^^;。

過去に何度も書いていますが、当ブログはリンクフリーです。

管理人の許可などいりません。

皆さんの調達先に説明する際、便利だなと思えばリンク先を教えるなり、資料に書いたりしていただいて全然かまいません。

もちろん、使ったよと連絡いただければ管理人は大変喜びます。

そうすることによって、皆さんの業務が少しでも軽減されるなら幸いです。

自分だけの楽しみや社内だけの共有では皆さんの業務はなかなか減らないと管理人は思います。

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