REACHの認可物質に5物質加わりました2022/04/11

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ECHA(ヨーロッパ化学品庁)は、2022.4.12に4.11付でREACHの認可物質に5物質が加わったという発表をしました。

これで認可物質は59物質(群)になりました。

この物質のリストは、REACH規則のANNEX XIVに記載されますが、実際のリストは、ここで見ることができます。

どんな物質が加わったのか

加わったのは、以下の5物質です。

  • Tetraethyllead (TEL) (EC 201-075-4, CAS 78-00-2);
  • 4,4′-bis(dimethylamino)-4”-(methylamino)trityl alcohol [with ≥ 0.1% w/w of Michler’s ketone (EC 202-027-5) or Michler’s base (EC 202-959-2)] (EC 209-218-2, CAS 561-41-1);
  • Reaction products of 1,3,4-thiadiazolidine-2,5-dithione, formaldehyde and 4-heptylphenol, branched and linear (RP-HP) [with ≥ 0,1% w/w 4-heptylphenol, branched and linear (4-HPbl)] (EC -, CAS -);
  • 2-ethylhexyl 10-ethyl-4,4-dioctyl-7-oxo-8-oxa-3,5-dithia-4-stannatetradecanoate (DOTE) (EC 239-622-4, CAS 15571-58-1); and
  • Reaction mass of 2-ethylhexyl 10-ethyl-4,4-dioctyl-7-oxo-8-oxa-3,5-dithia-4-stannatetradecanoate and 2-ethylhexyl 10-ethyl-4-[[2-[(2-ethylhexyl)oxy]-2-oxoethyl]thio]-4-octyl-7-oxo-8-oxa-3,5-dithia-4-stannatetradecanoate (reaction mass of DOTE and MOTE) (EC -, CAS -).

いや、書かれても何のことだか管理人判らないからorz。

そして、これらの物質は、例えば、燃料添加剤、インクの調合、潤滑油、ポリマーの製造における安定剤として使用されているとの記述があります。

と言われても、判らないので、一応調べました。

加わった5物質はどういうものか

Tetraethyllead (TEL) 

和名:四エチル鉛
別名:テトラエチル鉛、テトラエチルプルンバン
化学式:C8H20Pb
分子量:323.44
構造式:
CAS RN : 553-00-4
EC No.: 209-030-0 

この物質がSVHCになった理由は、生殖毒性(第57条c)です。

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は飲み込むと致命的、皮膚と接触すると致命的、吸い込むと致命的、生殖能力または胎児に損傷を与える可能性、水生生物に非常に有毒、水生生物に非常に有毒で効果が長く続く、長期または反復暴露により内臓に損傷を与える可能性があるとされています。

職場のあんぜんサイトのSDSでも、

可燃性液体
飲み込むと生命に危険
皮膚に接触すると有毒
吸入すると生命に危険
生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い
中枢神経系臓器の障害
長期にわたるまたは反復ばく露による中枢神経系、肝臓の障害
水生生物に非常に強い毒性
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性

と毒性のオンパレードです。日本においても非常に強い規制がかかっています(というか、無いでしょう)。

元々の用途は、自動車のアンチノッキング剤です。

4,4′-bis(dimethylamino)-4”-(methylamino)trityl alcohol

和名:ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル][4-(メチルアミノ)フェニル]メタノール
別名:4-メチルアミノ-4’,4”-ビス(ジメチルアミノ)トリフェニルメタノール
化学式:C24H29N3O
分子量:375.52
構造式:
CAS RN : 561-41-1
EC No.: 209-218-2

この物質がSVHCになった理由は、発がん性(Article 57a)です。

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、癌を引き起こす可能性があり、水生生物に有害で長期的な影響を与え、飲み込むと有害で、深刻な眼の炎症を引き起こし、長期または反復暴露により内臓に損傷を与える可能性があるとされています。

元々の使用用途は、文具インクの製造用や染料などのようです。

Reaction products of 1,3,4-thiadiazolidine-2,5-dithione, formaldehyde and 4-heptylphenol, branched and linear (RP-HP)

この物質は、実際には二つに展開されています。

化学物質名:Formaldehyde, reaction products with phenol heptyl derivs. and 1,3,4-thiadiazolidine-2,5-dithione
CAS RN : 1471311-26-8
EC No.:  939-460-0

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は可燃性の液体および蒸気であり、深刻な眼の損傷を引き起こし、水生生物に有害であり、長期的な影響を与え、皮膚刺激を引き起こし、アレルギー性皮膚反応を引き起こす可能性があるとされています。

化学物質名:Formaldehyde, reaction products with branched and linear heptylphenol, carbon disulfide and hydrazine
CAS RN : 93925-00-9
EC No.: 300-298-5

これらの物質がSVHCになった理由は、内分泌かく乱性(第57条f) – 環境です。

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、深刻な眼の損傷を引き起こし、水生生物に有害で、長期的な影響を与え、皮膚刺激を引き起こし、アレルギー性皮膚反応を引き起こす可能性があるとされています。

これらの物質は、反応生成物と書かれていますので、化学式や分子量などの情報はありません。

更には、用途もわかりませんでした。知っている人教えてください。

2-ethylhexyl 10-ethyl-4,4-dioctyl-7-oxo-8-oxa-3,5-dithia-4-stannatetradecanoate

和名:2-エチルヘキシル,10-エチル-4,4-ジオクチル-7-オキソ-8-オキサ-3,5-ジチア-4-スタンナテトラデカノネート【DOTE】
別名:ビス(2-エチルヘキサン-1-イル)=2,2’-[(ジオクタン-1-イルスタンナンジイル)ビス(スルファンジイル)]ジアセタート
化学式:C36H72O4S2Sn
分子量:751.79
構造式:
CAS RN : 15571-58-1
EC No.: 239-622-4

この物質がSVHCになった理由は、生殖毒性(第57条c)です。

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は生殖能力または胎児に損傷を与える可能性があり、長期または反復暴露により臓器に障害を与え、水生生物に非常に有害で、長期的影響により水生生物に非常に有害であるとされています。更には、飲み込むと有害です。

職場のあんぜんサイトのSDSでも、
危険有害性情報 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
強い眼刺激
眠気又はめまいのおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による免疫系の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓、腎臓の障害のおそれ
と書かれています。

使用用途としては、硬質塩化ビニル管接合用接着剤がWEB検索では見つかりました。

Reaction mass of 2-ethylhexyl 10-ethyl-4,4-dioctyl-7-oxo-8-oxa-3,5-dithia-4-stannatetradecanoate and 2-ethylhexyl 10-ethyl-4-[[2-[(2-ethylhexyl)oxy]-2-oxoethyl]thio]-4-octyl-7-oxo-8-oxa-3,5-dithia-4-stannatetradecanoate (reaction mass of DOTE and MOTE)

この物質は、CASもEC No.もありませんのでほとんど調べようがありません。

この物質がSVHCになった理由は、生殖毒性(第57条c)です。

ECHAのSubstance Infocardには、調和された分類はなく、この物質に関する製造者、輸入者、川下使用者による危険有害性の通告はない。と書かれています。

以上、今回は、情報だけでした。


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