REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(33)

広告
「スポンサーリンク」

2024年1月23日に第30次のSVHCが発表されました。追加されたSVHCは5物質です。

ですので、REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説も順次進めていきます。今回は、REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(33)となります。

今回は、2-(2H-benzotriazol-2-yl)-4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)phenolです。

広告

第30次SVHC 2-(2H-benzotriazol-2-yl)-4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)phenolの基本情報

では、まず 基本情報を見てみましょう。

化学物質名:2-(2H-benzotriazol-2-yl)-4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)phenol
和名:2-[2-ヒドロキシ-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フエニル]ベンゾトリアゾール
別名:2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、オクトリゾール、UV-329、2-(2′-ヒドロキシ-5′-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなど
化学式:C20H25N3O
構造式:
分子量:323.4
CAS RN:3147-75-9
EC No.: 221-573-5
融点:106-108℃
色形状:微黄白色粉末

2-(2H-benzotriazol-2-yl)-4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)phenolの危険性は何か

ECHAのSubstance Infocardによれば、REACH登録において企業がECHAに提供した通知では、この物質は、危険有害性は分類されていない。

ではなぜこの物質が、SVHCになっているかというと高難分解性かつ高生物蓄積性(vPvB)(第57条e)に該当する物質だからというのが理由です。

日本においては、強い規制がかかっている物質ではありません。

2-(2H-benzotriazol-2-yl)-4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)phenolの使用用途はどこか

この物質の使用用途は、UV329の別名がある通り、紫外線吸収剤です。

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、REACH登録はされており、年間1,000トン以上10,000トン未満製造もしくは輸入されています。

消費者製品としては、エアケア製品、コーティング製品、接着剤およびシーリング剤、潤滑剤およびグリース、ポリッシュおよびワックス、洗浄剤およびクリーニング製品に使われているとあります。

また、プラスチックやゴムに使用されているとあります。

いわゆる業者さんにおいては、やはりコーティング製品、接着剤・シーリング剤、ポリマーに使用されているとあります。

いわゆる製造業ではプラスチック製品や混合物の製造で使用されます。

この物質は、中国で今でも普通に作られていると思います。そして、まだ使用されている物質です(多分)。

コメント

  1. しげき より:

    弊社は特定の半導体製造装置メーカ向けにモジュールを製造販売しています。
    弊社顧客はEU域内にも存在します
    現在弊社のサプライヤにchemSHERPAの提出を要請してデータを積み上げていますが
    まだまだ勉強中です

    さて弊社のサプライヤから納入部品中に3147-75-9が含まれている旨の「通知」を受領しました。当該物質を 0.1%-1.0%未満含有している旨の報告されております。

    当該物質は23年9月に「候補リスト」に登録され24年1月23日に「規制対象リスト」に
    追加されたところまで理解しましたが、あとはどうすればよいのかさっぱりわかりません。
    1)サプライヤに対して納入禁止?
    2)当該部品は弊社から出荷禁止?
    3)chemSHERPAの再提出指示?2.09でよいの?
    4)サプライヤと弊社で代替品の相談進める程度でOK?

    いつまでナニをやればよいのかアドバイスいただけますと幸いです

    • OFFICE KS より:

      しげき様、ご質問ありがとうございます。管理人です。

      今年1月に認可対象候補物質(SVHC)になったCAS No.:3147-75-9が、含まれているとの報告があったということですね。
      御社の中で、この物質が含まれているものは何になりますでしょうか?
      もし、それが樹脂などの成形品に含まれているということであれば、御社の義務は、欧州の輸入代理店に、特定(どの部品かは示しましょう)の部品中にCAS No.:3147-75-9が0.1wt以上含有されている(濃度もあった方が親切ではあります)旨の情報を御社の製品を出荷する際に伝達することだけです。国内に出荷する際も、顧客のメーカーが欧州に出荷している場合、このデータは要求されると思います。
      従って、1),2)をやる必要はありません。3)は、データとして残しておきたいならやっても構わないでしょう(別に必須ではありません)。4)は、成形品を扱っている限りにおいては、可能であればやった方がいいという程度で特別にやる必要はありません。

      以上になります。

タイトルとURLをコピーしました