REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(13)

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REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説ですが、2021年7月8日に新たな物質(物質群)が8個足されたので少しずつやっています。

というわけで、REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(13)は、新たに足された物質のうち、glutaralです。

第25次SVHC glutaralの基本情報

では、まずいつものように、glutaralの基本情報から行きましょう。

化学物質名:glutaral
和名:グルタルアルデヒド
別名:1,5-ペンタンジアール、グルタルジアルデヒド、Glutaraldehyde、1,5-pentanedialなど
化学式:C5H8O2
分子量:100.12
構造式:

CAS RN:111-30-8
EC No.:203-856-5
融点:-14℃
引火点:約71℃

glutaralの危険性は何か

これらの物質が、SVHCに入れられた理由は、

呼吸器感作性(第57条(f)-人の健康)

です。

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、吸い込むと致命的であり、飲み込むと毒性があり、重度の皮膚火傷と目の損傷を引き起こし、水生生物に非常に毒性があり、水生生物に長期的な影響を与え、アレルギー性の皮膚反応を引き起こす可能性があり、吸い込むとアレルギーや喘息の症状や呼吸困難を引き起こす可能性があり、呼吸器に刺激を与える可能性があります。
更には、この物質が深刻な目の損傷を引き起こすことが特定されています

更には、日本の職場のあんぜんサイトのSDSによれば、中枢神経の障害、長期にわたる、または、反復ばく露により気道の障害と可燃性液体であると記載されています。

どんなところに使われるのか

ECHAのSubstance Infocardには、 この物質は、欧州域内で10,000から100,000t/y生産もしくは、輸入されています。

更に、この物質は、殺生物剤の用途として、EEAおよび/またはスイスにおいて、以下の用途で殺生物剤としての使用が承認されています。
殺菌、獣医学的衛生、食品および動物飼料、製品の保存、液体システムの保存、スライムの制御

また、以下のようなところで使用されています。
消費者製品では、化粧品およびパーソナルケア製品
仕事における専門で使う目的では、殺生物剤(例:消毒剤、害虫駆除剤)、皮革処理製品、洗濯・クリーニング製品や、健康サービス、混合物の処方、更に織物、皮革または毛皮の製造
工場では、皮革処理製品、インク、トナー、医薬品、ポリマーに使用され、繊維製品、皮革または毛皮、化学薬品、プラスチック製品、ゴム製品を製造する際に用いられます。
また、研究開発分野や農林水産業でも使用されます。

日本のNITEのCHRIPによれば、殺菌剤(病院などで使用される内視鏡機器,手術・歯科医療機器の消毒剤),クーリングタワー等の殺藻剤,レントゲン写真の現像液,試薬,架橋剤,電子顕微鏡観察用試料固定剤,なめし剤などに使用されるとあります。
また、紙・プラスチックなどへの定着剤、皮革のなめし剤などの記述もSDSにはあります。

製品としては水溶液で売られていることが多いようです。ですので、この物質は特定の用途にはまだ使用されていると思います。

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