包装材規則について(その2)

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今回も前回の「包装材規則について(その1)」の続きで、欧州の包装材規則のお話です。

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包装材規則の中で化学物質はどう取り扱われているか

前文中の化学物質関する言及

包装材規則は、「包装材規則について(その1)」において述べた通り、包装材やその廃棄物の削減、更には、ラベルやマーキング、リサイクル、回収システムなど多岐にわたります。

ですが、化学物質のコントロールも、一つの重要な要素になっています。

まず前文においても、欧州の化学物質戦略を参照として懸念物質についての最小化が求められています。

その一つとして、Per- and polyfluoroalkyl substances (PFAS)が名指しで上げられています。
特に食品に接触する包装は、人の健康に容認できないリスクであるとしています。

また、Bisphenol A (BPA)についても、食品接触材料における規則との対応で規制される可能性を述べています。

更に、従来の包装材指令において定められていた、鉛、カドミウム、水銀、六価クロムに対する規制はこれを維持するのが適切と書かれています。

条文での記載内容

では、条文の方では、化学物質に対してどのような規制が書かれているのでしょう?

この件に関する大部分は第5条に書かれています。

何せ第5条の題名が、「Requirements for substances in packaging」つまり包装に含まれる物質の要求になっているからです。

更に、その中は9項目あります。

その中で、書かれている物質の規制は、以下のようなものがあります。実際には細かい前提条件が書かれているのですが、そこの部分は無視しています。

  • 包装または包装部品に含まれる鉛、カドミウム、水銀、六価クロムの濃度の合計は、100 mg/kgを超えてはならない。
    これは、以前の包装材指令の時もあった規制です。100mg/kgは、100ppmになります。
  • 2026年8月12日以降、食品に接触する包装材は、制限値以上を含むPFASを上市してはならない
    当然閾値があるのですがそれは以下のようになっています。
    (a)対象として分析されたいずれのPFASに関しても25ppb(高分子のPFASは定量から除外)
    (b)PFASの総量として測定されたPFASの合計値(対象PFASの分析結果の合計値)は250ppb、適用可能な場合、前駆体の事前分解を含む(高分子のPFASは定量から除外)。
    (c)PFAS(高分子のPFASを含む)については50ppm。
    そして、総フッ素量が50 mg/kgを超える場合、REACH規則の3条に定義される製造者、輸入者、下流ユーザーは、要請に応じて本規則の別紙VIIに定める技術文書を作成するため、第3条第(1)項にそれぞれ定義される製造者または輸入者にPFAS または非 PFAS の含有量として測定されたフッ素量の証明を提供しなければならない。
    (これ滅茶苦茶わかりにくい、第3条第(1)項は、Substanceつまり物質の定義が書いてあります。管理人自信がありません。正確に読み取れる人がいたら教えてください)
    それとこの下にPFASの定義が書いてあります。
  • 上の二つの化学物質に関する規制は、附属書VIIで定義された技術文書の中で実証されなければならないとされています。
  • REACH規則、食品接触材規則との整合の点や今後の規制物質に関する見直しの点なども書かれています(規制物質が緩まることは無いでしょう)。

詳細は、原文を読んでくださいね。

第5条以外の化学物質に関わる項目

第5条以外にも化学物質に関わる文言は、第12条に出てきます。

  • 第12条には懸念物質を含んで上市される包装材はデジタルマーキングしなければならないとされています。そして、それは2030年1月までに実施方法を採択されなければならず、包装単位の各材料に含まれる懸念物質の名称と濃度はマーキングに含まなければならいと書かれています。

包装材規則は次回で終了予定

包装材規則は、それ以外に主にリサイクルや廃棄などプロセスに関する取り決めや、ラベルや表示、更には公共調達に関する条項など各種のものがありますが、一番多くは、包装材を扱う各プレーヤーの義務について書かれていると言ってよいでしょう。

これらの部分は、実際に欧州で事業をしている方に関わる項目です。

従って、包装材規則については、後は上に書いた項目をざっと眺めるだけにしたいと思います。と言うことで、包装材規則は、次回で終了予定です(何せほかの規則を先に書き始めてしまいそうなので何時になるかわかりませんが)。

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化学物質規制
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