毒劇法の基礎:条約、法規いっちょかみ(その2)

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「条約、法規いっちょかみ」シリーズの実質2回目です。
今回は、条約ではないものにしようと思います。そして、まずは日本の法規制で行こうかと。

いやそこは海外だろ!という突っ込みは予想されますが、まずは順番ということで。それに、規制も管理人の気の向くまま取り上げるので、体系化はあんまり期待しないでください。

それと、このシリーズの最初に書いたように、管理人は法律家ではありませんので、正確な解釈はできないというか本来やってはいけないのではないかと思いますが、いろんなものの本やネットに書いてあることを見てこうだろうと思って書いています。

当ブログの免責条項を読んで、あくまで参考として読んでくださいね。それは、このシリーズについては今後も同様です。

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今回の法規制は毒物及び劇物取締法(毒劇法)

今回取り上げる法規制は、法規制は毒物及び劇物取締法、通称毒劇法(以下毒劇法と表記)です。

毒劇法は、e-Govで検索すると昭和二十五年法律第三百三号であることがわかるのですが、施行日を見ると、令和二年四月一日になっています。

おいおい、一体どういうことだよ、毒劇法なんて昔からあるじゃないの、なんでこんなことになってるのと、頭の中に??がいっぱいになります。

この理由は、国の地方分権改革によって、毒劇法の肝になっている登録という行為が、国から地方に権限移譲されたことによります。

平成30年6月19日成立、平成30年6月27日公布
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(平成30年法律第66号)(第8次地方分権一括法)
概要説明によれば、

A地方公共団体への事務・権限の移譲(3法律)の中に
毒物又は劇物の原体の事業者の登録等に係る事務・権限を国から都道府県へ移譲(毒物及び劇物取締法)
というのがあり、これに対応した施行が令和二年四月一日になっているのです。

毒劇法の基本?

基本、法律というのは、その目的が第一条に書いてあるのが普通です。何のための法律かということですね。ですので、このシリーズその部分は大事にしたいと思ってます。

ということで、毒劇法の第一条は以下のように書かれています。

(目的)
第一条 この法律は、毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取締を行うことを目的とする。

毒物及び劇物に対して取締る法律ということになります。保健衛生上の見地とありますのでここでは主に健康を守ることに重きが置かれています。

この法律の管轄省庁は、厚生労働省です。

じゃあ、毒物、劇物って何なんだということになりますが、これはこの法律の第二条に書いてあります。

そこには、毒物は別表第一に掲げる物、劇物は別表第二に掲げる物とあります。ですので、毒物と劇物って個別列挙なんですね。もちろん、審議を経て決まるものと思いますが、結果として表に書かれたものが毒物。劇物になります。

そして、第二条では、毒物、劇物の説明には医薬品及び医薬部外品以外のものをいうという表現もあります。
これは、医薬品及び医薬部外品は別の法律である薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で規制されており、そこには毒薬、劇薬というものが定義されているからです。

一般に体に取り込まれてしまう医薬品及び医薬部外品と通常ものとして扱う毒物、劇物は、考え方が異なるということです。

第二条にはその他に特定毒物というものも定義されていて、これは別表第三に掲げるものとあります。
特定毒物は、きっとよりヤバいものということなんだと思います(また、いい加減な)。より厳しい制限が設けられています。

毒劇物は、登録した事業者でなければ製造したり、輸入したり販売したりできない規制

毒劇法の大きな特徴は、毒劇物を製造したり、輸入したり、販売したりする人(毒物劇物営業者と呼ばれます)は、登録が必須であるということです。

そして、この登録を届け出るところが、今までは国だったところが、地方自治体になることが施行されたのが、2020年4月からです(上述)。

しかもその登録は、5年もしくは6年で更新する必要もあります。

そしてこれら登録者には義務があり、毒劇物をどれだけ製造もしくは輸入したかとか、いつ誰にどれだけ売ったかとかは全部管理、履歴を取っておかなければなりません。

しかも、その量に裾切り値はありません。

そして、その事業所ごとに毒物劇物取扱責任者という国家資格を持った人を置いて適切な管理をしなければなりません。

どいうことで、毒劇法は、上流側で強く規制のかかる法律になります。

毒劇法は、SDS三法の一つ

毒劇法は、多分今後解説するであろう(何時になるんだろう)安衛法や化管法とともに、SDS三法とと呼ばれます。

つまり、毒劇物を譲渡・販売するときは、その物理化学的性質や危険性・有害性及び取扱いに関する情報を相手方に提供しなければなりません。

使用者もやらなきゃいけないことはある

このシリーズは、いっちょかみで、逐条解説ではありません。細かいことを書き始めれば1回では足りなくなってしまいます。

この法律は、上流側に重きが置かれた規制ですが、毒劇物を買ってきてプロセスに使う人(いわゆる使用者)は野放しかというとそんなことはありません。

使用者が守らなければならない項目として以下のものがあります。番号は、説明のための便宜上のもので意味はありません。

  1. 毒物劇物の盗難・紛失・漏洩等を防ぐのに必要な措置を講じなければなりません。
  2. 飲食物の容器に使用される物を毒物劇物の容器として使用してはいけません。
  3. 毒物劇物の容器、被包及び貯蔵・陳列場所に「医薬用外毒物」「医薬用外劇物」の表示が必要です。
  4. 毒物劇物の廃棄、運搬、貯蔵等にあたっては、技術上の基準に従う必要があります。
  5. 毒物劇物の漏洩等の事故が発生した場合には、保健所、消防署又は警察署に直ちに届け出るとともに、必要な応急の措置を講じる必要があります。
  6. 盗難・紛失事故が発生した場合には、直ちに警察署に届け出る必要があります。

1.については、毒劇物用の保管庫を用意して明確に区別して鍵をかけられるようにするととともに、その管理者を決めておくことが必要です。紛失を防ぐのですから数量管理も必要です。
事業所域外への漏洩飛散を防ぐ設備なども必要です。

この件については、「毒物及び劇物の盗難又は紛失防止に係る留意事項について」という通達も平成30年に出ています。

2.はまあ当然ですね。

3.は、例の表示です。

4.は技術的な基準なので、必要な方は、下に書いた詳細が書いてあるページを見てください。

5と6は言うまでもないかと思います。

詳細は、国のページを見てください

実際の毒劇法についての詳しい内容や、やらなければなrないことなどは、厚生労働省の毒物劇物の安全対策のページにまとめられています。
国のページは、どちらかというと分かりにくいものが多いです。どこにあるかもわからないし。ここは、見つけるのはとても大変なページだと思いますが、中身はわかりやすいほうだと思います。

いろいろわからないなあと思ったら、毒物及び劇物取締法Q&Aを見ることをお勧めします。

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