サプライチェーンの位置と化学物質情報伝達(その4)

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前回から、いくつか管理人が見聞きしたというか質問を受けた内容も含め、特定される部分は除いて書いています。
対応方法は、様々だと思うので具体的には書けませんが、多少でもヒントになればよいかなと思います。

今回の疑問(?)は、「社内の人がわかってくれない(;_;)」です。

これ、製品化学物質担当者の「あるある!」に近いんだと思います。

管理人が聞いたことがある担当者の方々の悩みには以下のようなものがあります。すぐに解決するようなものではないことも多いですが、他の人も同じ悩みがあるんだという共感で少し心が軽くなればよいかなと思います。

他部署の人がそんな仕事があることも知らない

一番やばい奴かもしれませんが、往々にしてある聞いたこともあります。

自分たちの作っている製品について、化学物質管理が必要なことも情報伝達が必要なこともある部署の中でとじられてしまっていて、しかも実際にはその担当者しかわからないみたいな場合ですね。

それって会社の中の仕掛けと言えるのか?

そのような方は、まず叫びましょうヽ( `Д´)ノ ウワァァァン。

そしてまず、仕事として社内文書のどこかに(品質の部分でOK)記載してもらいましょう。そして、叫び続けましょう。

前任者が辞めてしまって、いきなり担当になって右往左往

上に書いた 「他部署の人がそんな仕事があることも知らない」にも強く関係しますがこれも何人かの方に聞いたことがあります。

会社の中で、一人の人が化学物質管理や情報伝達を担当していて何とか回っていたのだが、その人が定年で辞めてしまった。疾病などで働けなくなってしまったなどの理由で急に担当者になった人の嘆きです。

一人の人におんぶにだっこしていたので、引き継ぎなどもうまくいかなかった場合(その人の頭の中に詳細なやり方があったなど)、新任の方はまたほとんど一から勉強しなくてはならなくなることが起こります。

化学物質管理や情報伝達は、化学の知識はそれほど無くてもできますが、やはり色々な知識はある程度必要です。それを先生になる人もおらずにやり始めると結構きついです。

一人の人だけに任せずに、主担当は一人でもいいから副担当は付けて情報は共有しておきましょう。

顧客からの情報伝達依頼が急増してしまい、回らなくなった

これは、今までは月に数件くらいの顧客から情報伝達依頼だったのだが、ある時から急に10倍くらいに増えてしまった。

もしくは、依頼内容が急にToolを使うよな形とか詳細まで求められる形になったなどの理由で、工数がパンクしてしまう場合です。

この場合は、上の人にちゃんと説明して「この量を、この人数(もしくは私一人)でやれって言うんですか!」( ゚Д゚)ゴルァ!!、と言いましょう。

ちゃんとした仕掛けになっていない

化学物質管理や情報伝達は、 どちらかというと品質管理に近い管理項目です。従って、社内でどのようにするのか(業務フロー)というのは、決まっている必要があります。

この部分は、しっかりしている会社とそうでない会社の差は結構大きいなと管理人は感じています。危機意識やリスクをどう考えるかの差なのだと思います。

この辺りは、「JISZ7201:2017 製品含有化学物質管理-原則及び指針」を参考に仕掛けを作っていけばよいと思います。

個々の会社の状況は様々

実際に製品化学物質管理や情報伝達は、各社において運用は様々だと思います。作っているものによっても異なるでしょう。自社にとって何が一番いいやり方は考える必要があります。

ですが、このブログでは今まであまり書いていませんでしたが、会社の中で製品化学物質管理や情報伝達は、自分に関係ない業務であると考えている方が多い場合は、その教育に力を入れることも重要です。

なんでこんなことをやらなければならないのか、経営層も含め、関係する部署には最低限の教育は必要だと思います。

今回は、ちょっと見方を変えて、自分たちの中を考えるのも大事だよという内容でした。
次回からは、またサプライチェーンの位置やそこで起きることに戻ろうと思います。

コメント

  1. パンチ より:

    いつも楽しく記事を読ませて頂いています。

    化学物質の情報伝達・衛生性のアナウンス等に追われる毎日ですが、
    今回の記事の内容は全くその通りと納得してしまいました。

    ついでに申しますと、話を受ける営業が全く理解せずこちらに丸投げ
    なんて事象は良くあります。
    工場内の認識よりも、直近で必要なのはこの教育だと感じていますが、
    そんな機会は中々ないものです。

    他社でも情報インプットの段階の苦労というのは存在するのでしょうか?

    • OFFICE KS より:

      パンチ様、コメントおよび質問ありがとうございます。管理人です。

      営業が丸投げしてくるというのはよくある話ですね。それも、あるあるだと思います。
      社内関係者への教育というのは、どこも程度問題はあれ苦労していると思います。

      なので、知っている範囲でいうと以下のようなやり方があります。
      ・社内の環境教育の中に組み込む(まあ、これもないよと言われればそれまでですが、ISO-14000とか9000とか取っているのであれば何とかなります。)
      ・セミナーに担当者や新人を送り込む
      ・会社に講師を呼んで話してもらう(今だとZOOMセミナーみたいのですかね)

      どちらにしても、化学物質の情報伝達を社内ルールに組み込むことが必要だと思います。

  2. prince より:

    まさしく製品化学物質担当者あるあるだと思います。
    すべて頷きながら読んでました笑。

    丸投げはもちろんですが、あとは調査回答日が異様に短かったり。
    特にchemSHERPAにおいてはこちらで作成したデータを提出後、依頼元からデータが開けませんという連絡が来ることも・・・
    内容を理解しないで丸投げしているということがわかってしまった瞬間でした笑

    やはり担当者には担当者にしかわからない悩みなどがありますよね。

    製品含有化学物質管理の重要性は担当者にしかわからないのだなということを感じています。

    • OFFICE KS より:

      prince様、コメントありがとうございます。管理人です。
      依頼元もわかっていない場合があるのは笑えますね(何やってんだよ!とツッコミ入れたくなります)。

      担当者にしかわからない悩みがあるのは理解しますが、「製品含有化学物質管理の重要性は担当者にしかわからない」は、ほっておかないほうがいいと思います。
      いつもセミナーで言うのですが、経営層に理解してもらうことが最重要と思います。

      • prince より:

        管理人様

        コメント、アドバイスいただきありがとうございます。
        製品含有化学物質管理の重要性は社内の各部署へ教育・研修を実施していますが、
        浸透するにはもう少し時間がかかるとみています。

        自分もめげずに継続して重要性を説いていこうと思っています。

        • OFFICE KS より:

          prince様、管理人です。

          継続は力なり、ですのでめげないで頑張ってください(^^)。

          • prince より:

            ありがとうございます。
            心が折れそうになったら、またこちらにコメント書かせていただきます(^^♪

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