製品化学物質管理における経験や事例(その7)

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さて、製品化学物質管理における経験や事例シリーズの第7回目です。

このシリーズは、2002年1月(もしくは、2001年11月or12月)から製品化学物質管理に関わってきた管理人が経験したことや事例を書いていくものです。

今回は、いわゆる化学物質の事故とはどういうものかという話です。次回以降の製品化学物質管理における事故例の前振りになります。

いわゆる事故の例ってどんなものがあるのか

次回から事故の例を出すのですが、そこで言っている事故とは

  • 本来、規制されている濃度以上の物質が含まれてしまっている
  • 情報伝達の義務があるのにそれを怠ってしまった
  • 顧客の示している条件に合致していないものを納品してしまった

などを指します。(これを事故のTYPE 1と今後略称します)
つまり、この事故の時点では直接の人的被害や環境被害は起こっていません。

 ところが、これとは異なった事故も存在します。

それは、化学物質そのものが、人や環境に直接的な影響を与えるものです。というか、通常はこちらを事故というと思います。

 こちらの事故には、

  • 化学物質を取り扱っている工場での火災や爆発の事故
  • 有害性を認知せずに取り扱っていた化学物質による被害
  • 有害性を認知したうえで隠蔽による被害

などが存在します。(これを事故のTYPE 2と今後略称します)

もちろん、事故の分類の仕方はこれだけではありませんし、TYPE 1,2を厳密に区別できない場合もあると思います。

もうひとつ事故のものすごく大雑把な分類として

  • 人為的なミスによる場合
  • 人の知識が不足していた場合

に分けられてしまうかもしれません。

有名な化学物質による事故は、直接的被害のもの

化学物質による事故で有名なのものは、事故のTYPE 2、つまり直接、人や環境に被害が及ぶものです。

日本において有名なのは四大公害病でしょう。いわゆる環境問題に関連した歴史は、国立環境研究所のこのあたりのページで見ることができます。

世界に目を向けると

をはじめとして、いくつもの事例を見ることができます。

映画「ダークウォーターズ 大企業が恐れた男」のPOFAの話もその一つでしょう。

TYPE 1の事故で有名なもの

TYPE 1の事故で有名なのは、製品化学物質管理における経験や事例(その1)に記述したオランダにおける事件でしょう。

この事件をきっかけにいわゆる最終製品にも製品化学物質を管理しなければならないということが明らかになりました。これは、化学物質の問題であると同時にビジネス問題でした。

実際には、欧州のRoHS指令やREACH規則の施行とともに、製品含有化学物質管理の仕組みとサプライチェーンにおける情報伝達の仕組みが出来上がっていくことになります。

しばらくブログの更新が滞る予定です

管理人の事情によりしばらく(一週間程度)ブログの更新が滞る予定です。

その間は、

  • こういう記事が欲しい
  • こういうことで困っている
  • こういうことはできないか
  • これは続けてほしい、もしくはいらない

などをコメントで頂けると管理人今後どうしていけばいいのかわかるので、非常に助かりますのでよろしくお願いいたします。どんな些細な事でも結構ですのでご意見をお寄せください。

コメント

  1. 通りすがり より:

    管理人様
    いつもありがとうございます。
    日刊工業新聞社のWEEE & RoHS指令とグリーン調達-欧州環境規制で取引先が選別される~(長いので略します)を読んで、とても知りたい内容でした。私の入社くらいではRoHS2指令が既に施行でしたので、
    周りもRoHSですねと簡単に情報を頂いておりましたので、とても良い世の中にはなっているなと感じております。
    実際に事故のTYPE 1が発生して、どういうふうに対応したのか、上記の本でも解説しておりましたが、
    先人たちの知恵や歴史がリアルに感じられて大変面白く感じました。規制が強化していく中で、協力会社と共に歩むために工夫された事などありますか。

    • OFFICE KS より:

      通りすがり様、いつもコメントありがとうございます。管理人です。

      「規制が強化していく中で、協力会社と共に歩むために工夫された事」、当時は無我夢中でしたからね。協力会社さんにも迷惑を沢山かけたとは思います。
      でも、実際ことは起きているので引くわけにはいかないので突っ走るしかなかったという感じです。
      SS-00259は、毎年改版していました。現在の最新版が第20版とありますので、未だに毎年更新しているはずです。規制は増え続けているので、更新し続けないともう対応できないはずです。
      これは一会社の技術標準ですが、大きくなく自分で情報を整理する工数もない会社には、納入品にはこれ守ってくれればいいからというツールに今はなっていると思います。
      chemSHERPAもある意味それを目指しているはずです。まあ、100%は難しいんですけど。

      こうなるためには、色々あったわけですが、もう現役離れて10年もたっているので感覚は鈍ってしまっています(^^;。
      その他にも色々あるのですが、経験や事例のシリーズで少しづつ書ければいいと思っています。

  2. 通りすがり より:

    管理人様
    通りすがりです。
    ご連絡ありがとうございます。

    進むしかないとはいえ、大変なご苦労はずなので
    紹介できる範囲で聞きたいとおもっております
    次回以降の記事に期待させて頂き、参考にさせてください。
    周りに関連してる方いたら、ブログ紹介しておきます。
    いつも丁寧な対応ありがとうございます。
    今後ともよろしくお願いします。

    • OFFICE KS より:

      通りすがり様、コメントありがとうございます。管理人です。
      あんまり記事に期待されすぎても、、、。中身が無くてがっかりするかもしれないので、期待しないで待っててくださいね。

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