2023年3月6日、経済産業省の化学物質管理のページに、「米国及びEU 等における内分泌かく乱物質の規制動向」と「米国及びEUにおけるナノ材料の規制動向」が掲載されました。
文字の部分をクリックするといきなり報告のpdfが開きます。なので直接のリンクは避けていますので、該当ページまで行ってみてください。
今回は、この報告について軽く、本当に軽くだけ紹介します。必要な人は行って見るなり、pdfをDLして読んでください。
「米国及びEUにおけるナノ材料の規制動向」の報告内容は?
「米国及びEUにおけるナノ材料の規制動向」の前回発表は、2022年12月でさらにその前は、2022年9月になっています。ですので、この件における報告は、直近では四半期に1度となっています。
今回の内容は、2022年12月から2023年の2月の間の情報となっています。これが第1大見出しというか、第2大見出しが頻出略語一覧なので内容的には、これだけです。
その中が、米国と欧州に分かれています。
今回、米国にに関しては、ナノテクにおける持続可能な開発に関する予算が減らされてるよという話しか載っていません。
一方欧州は、
① EU 司法裁判所、二酸化チタンの発がん性の分類を無効とする判決を下す【規制】
② EUON(EU ナノ材料観測所)、グラフェンが健康および環境に及ぼす影響に関する報告書を公開【安全性】
③ 欧州委員会、化学物質のための安全で持続可能な設計(SSbD)の勧告を採択【safe-by-design】
など6項目内容が報告されています。
特に二酸化チタンに関しては①以外にも別の観点での報告も書かれています。
詳細は、報告内容のpdfを読んでください。日本語ですし、読めばある程度わかると思います。
また、この報告書の中には略号が沢山出てきます。それを理解するために頻出略語一覧があると思うのですが、機関や規制に関する物だけで、報告書に最初に出てくる略語が解説されていません。
報告書の目次からしていきなり、「ナノ材料・AdMa 関連」と書かれているのですが、知らない人にとってはAdMaってなんだよ、ということになってしまいます。でもこのAdMaは何か解説されてはいません。
この報告を見るくらいなんだからこの程度の基礎知識はあるんだよね!ということなんでしょうけど、ある意味、とっても不親切です。
AdMaは、Googleで検索してもまともには出てきません。「AdMa 材料」などど一生懸命検索して、ようやく、経済産業省の別ページで先端材料(アドバンストマテリアル→AdMa)だと分かります。
「米国及びEU 等における内分泌かく乱物質の規制動向」の報告内容は?
もう一つの「米国及びEU 等における内分泌かく乱物質の規制動向」は2022年度分とありますから、こちらは年度ごとの報告です。
分量はこちらの方が多く、
- 内分泌かく乱物質全般
- 個別内分泌かく乱物質
となっています。
1.の方は、国や地域別の状況が書かれており、欧州の内容に多くのページが割かれています。また、米国やEUだけでなく、日本やOECDの内容にも少しですが言及されています。
2.の方は、個別物質が示されているので世界的にどんな物質が注目されているのかがわかります。
内容詳細は報告書を読んでいただきたいのですが、個別の物質に対して各国や地域がどのような対応をしようとしているかがわかります。
目次そのものですが、どの様な物質が挙げられているのか記載します。
2-1 ビスフェノール類
2-2 フタル酸エステル類
2-3 PFAS
2-4 PFOAとPFOS (これもPFASですが独立して報告されています)
2-5 サリチル酸
2-6 トリクロカルバンとトリクロサン
2-7 4-メチルベンジリデンカンファ(4-MBC)
2-8 ゲニスデンとダイゼイン
2-9 ノニルフェノール
この中で、2-5のサリチル酸から2-8のゲニスデンとダイゼインまでは欧州の化粧品規制関係です。また、PFASに多くのページが割かれているのも特徴です。
この報告書を見ると、特定分野ですがある程度どのような物質に世界が関心を寄せているのかわかりますし、日本語でまとめてくれているので読んでおくのもいいかなと思います。
今回は、珍しく国から出た報告の紹介でした。
コメント
目次の⑥に先端材料(AdMa)と書いてありますけどね。
Seiさん、コメントありがとうございます。管理人です。
それは認識しております。
じゃあ、なんで最初に出てきたときに書かないんでしょう?
先端材料→アドバンストマテリアル→AdMaには普通ならないと思います。