REACH 制限物質(その24):Entry46 

REACH 制限物質(その24)は、Entry46のNonylphenol ethoxylatesとNonylphenolです。このEntryは変わっていて、Entry46とEntry46aに区別されています。Entry46aには何が書かれているかというと、Nonylphenol ethoxylatesの具体的な物質が5物質記載されています。

単なるNonylphenol ethoxylatesには、CAS RNもEC No.もないので、具体的な物質についてのみ記載します。

Entry46 のNonylphenolおよびNonylphenol ethoxylatesの基本情報

Entry46とEntry46aに記載されているNonylphenolおよびNonylphenol ethoxylatesについての基本情報ですが、Nonylphenol ethoxylatesのほうは、単一物質ではないので名前だけに等しい情報になっています。

化学物質名:Nonylphenol
和名:ノニルフェノール
別名:Phenol, nonyl-、NP
化学式:C15H24O
分子量:220.35
構造式:
CAS RN : 25154-52-3
EC No.: 246-672-0

この物質は、SVHCです。

ノニルフェノールも各種異性体の混合物なので、融点や沸点などは単一には決まりません。普通の混合物は、パラ位が最も多いようです。

それでは、Nonylphenol ethoxylatesと呼ばれているものの物質を見ていきましょう。Entry46aに書かれているものです。

化学物質名:Nonylphenol, ethoxylated
和名:ポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニル=エーテル
CAS RN :9016-45-9
EC No.: 500-024-6
化学式:(C2H4O)nC15H24O

この物質は、SVHCであり、認可物質(ANNEX XIVに記載されている)です。

化学物質名:4-Nonylphenol, ethoxylated
和名:α-(4-ノニルフェニル)-ω-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)
CAS RN :26027-38-3
EC No.:500-045-0
化学式:(C2H4O)nC15H24O

この物質は、SVHCであり、認可物質(ANNEX XIVに記載されている)です。

化学物質名:Isononylphenol, ethoxylated
和名:α-ヒドロ-ω-(イソノニルフェノキシ)ポリ(オキシエチレン)
CAS RN :37205-87-1
EC No.:609-346-2
化学式:(C2H4O)nC15H24O

この物質は、SVHCであり、認可物質(ANNEX XIVに記載されている)です。

化学物質名:4-Nonylphenol, branched, ethoxylated
和名:α-(4-ノニルフェニル)-ω-ヒドロキシポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)(分枝型)
CAS RN :127087-87-0
EC No.:500-315-8
化学式:Unspecified

この物質は、SVHCであり、認可物質(ANNEX XIVに記載されている)です。

化学物質名:Nonylphenol, branched, ethoxylated
和名:α-(ノニルフェニル)-ω-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)(分枝)
CAS RN :68412-54-4
EC No.:500-209-1
化学式:Unspecified

この物質は、SVHCであり、認可物質(ANNEX XIVに記載されている)です。

上の5つの物質がNonylphenol ethoxylatesと呼ばれるものとして挙げられています。多分代表的な構造式ならかけるのかもしれませんが、面倒なのでやめます(^^;。形としては、上で構造式を書いたノニルフェノールに(C2H4O)nが入った形をしているのですがその付き方などによって分類されているようです。

Entry46 NonylphenolおよびNonylphenol ethoxylatesの危険性は何か

次にEntry46 NonylphenolおよびNonylphenol ethoxylatesの危険性について見ていきましょう。

まずは、Nonylphenolです。ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、重度の皮膚の火傷や目の損傷を引き起こし、水生生物に非常に有害であり、長期的な影響を及ぼし、飲み込むと有害であり、生殖能力や胎児にダメージを与える疑いがあります、と書かれています。

更に、日本の職場のあんぜんサイトにおけるSDSでは、他に、呼吸器への刺激のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による腎臓、膀胱の障害のおそれも書かれています。

次に、Nonylphenol ethoxylatesの中で、最初に書いてあるNonylphenol, ethoxylated(CAS RN :9016-45-9)について代表例として見てみましょう。5物質全部を書く気にはとてもなりません。

この物質は、水生生物に毒性があり、長期的な影響があり、深刻な目の損傷を引き起こし、飲み込むと有害であり、皮膚に刺激を与える、と書かれています。

更に、日本の職場のあんぜんサイトにおけるSDSでは、他にも生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い、長期又は反復ばく露による肝臓、心血管系の障害のおそれが書かれています。

残りの4物質についても多かれ少なかれ、似たようなことが書いてあります。

どこに使われているか

では、これらの物質はどこに使われているかを見ていきます。

Nonylphenolについては、EUのSubstance Infocardには、情報が書かれていません。
日本のCHRIPには、用途情報として、界面活性剤・ゴム加硫促進剤原料、界面活性剤の合成原料,インキ用バインダー,酸化防止剤 (TNPP) の合成原料,積層板の合成原料,エポキシ樹脂等の安定剤と書かれています。

Nonylphenol, ethoxylatedについては、REACHで登録はされているけど、現在、欧州で製造、輸入はされていないと書かれています。

従って、ほとんど使われていないのですが、金属表面処理のための製品に使われているとの記述があります。

その他に4-Nonylphenol, ethoxylatedは、洗浄剤に使用されているとか、Nonylphenol, branched, ethoxylatedは、欧州域内で1t/yから10t/yで製造輸入されていると書いてあるのですが、ほとんどの項目でデータがないと書かれています。

一方、日本のCHRIPでは、Nonylphenol, ethoxylatedは、非イオン界面活性剤とあり、業務用洗浄剤・分散剤・切削剤・乳化剤・展着剤原料,医薬品用,化粧品用と書かれています。それと、職場のあんぜんサイトのSDSには、分散剤、顔料・塗料添加剤、メッキ浴添加剤の記述もあります。でも、日本でももう使ってないんじゃないかな。

制限条件

Entry46 NonylphenolおよびNonylphenol ethoxylatesとEntry46a Nonylphenol ethoxylatesの制限条件は以下のようなものです。

まず、Entry46ですが、

以下の目的のために、0.1重量%以上の濃度で、物質または混合物として市場に出したり、使用したりしてはならない。

  1. 工業用、施設用のクリーニング用途、ただし以下を除く
     -制御された閉鎖型ドライクリーニングシステムで、洗浄液がリサイクルまたは焼却されるもの
     -洗浄液がリサイクルまたは焼却される特殊処理の洗浄システム。
  2. 家庭用のクリーニング用途。
  3. 織物と皮革の加工、ただし以下を除く
     -廃水に放出されない処理
     -生物学的な廃水処理の前に、有機物を完全に除去するために処理水が前処理される特別な処理を行うシステム(羊皮の脱脂)
  4. 農業用乳液の乳化剤。
  5. 金属加工、ただし以下を除く
     -洗浄液がリサイクルまたは焼却される管理された閉鎖システムでの使用。
  6. パルプと紙の製造。
  7. 化粧品。
  8. その他個人用のケア用品、ただし以下を除く。
     -殺虫剤
  9. 殺虫剤や殺生物剤の補助成分。ただし、2003年7月17日以前に付与された、ノニルフェノールエトキシレートを補助成分として含む殺虫剤または殺生物剤の国内認可は、その有効期限まではこの規制の影響を受けない。

次にEntry46aのNonylphenol ethoxylatesの制限条件は、

  1. 2021年2月3日以降、通常のライフサイクルで水洗いされることが合理的に予想される繊維製品においては、その繊維製品または繊維製品の各部位の0.01重量%以上の濃度である場合、市場に出してはならない。
  2. 第1項は、中古の繊維製品や、NPEを使用せずに再生繊維のみで製造された新品の繊維製品の上市には適用しない。
  3. 第1項および第2項の目的において、「繊維製品」とは、重量の80%以上が繊維素材で構成されている未完成品、半完成品、完成品、もしくは、衣類、アクセサリー、インテリアテキスタイル、繊維、糸、布地、ニットパネルといった、重量の80%以上が繊維製品で構成されている部分を含むその他の製品。

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