chemSHERPAデータ作成支援ツール付属文書解説(その2)

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今回の記事は、chemSHERPAデータ作成支援ツール付属文書解説(その2)になります。

chemSHERPAデータ作成支援ツール付属文書解説(その1)では、Explanation_of_chemSHERPA_Declarable_Substances_Ver2.06.00_JP(chemSHERPA管理対象物質Ver2.06.00説明書)の1. はじめにだけで終わってしまっています。

年が明けたからと言って、管理人にやる気が出ているかと言われるとやっぱりずぼらです。

では、今回は、2. 管理対象物質リストに関わる用語の定義 からはじめていきましょう。

2. 管理対象物質リストに関わる用語の定義 

まず、用語の定義には、製品含有化学物質、管理対象物質、管理対象基準、参照リスト、管理対象物質検索用リスト(検索用物質リスト)、CAS展開の定義が書かれています。

実際の内容は、文書を読んでください。

この中で、いきなり参照リストと書かれてもと思う方がいるかもしれませんが、参照リストはchemSHERPA_Managed_substance_list_Ver2.06.00_JP.xlsxそのもののことです。

また、検索用物質リストは、chemSHERPAデータ作成支援ツールで化学物質を検索すると検索窓にずらりと並んでいるあれなのですが、物質リストそのものが欲しい場合は、事務局から買うことになります。

3. 管理対象物質Ver2.60.00について

次の項目は、管理対象物質Ver2.60.00について(この記事を書いている時点でのchemSHERPA最新Ver.の名前です。ですのでVer.が上がればそれにつれて上がっていきます)ですが、その内容にはかなり重要なことが書いてあります。

3.1 管理対象基準

管理対象基準の部分には、Ver.2.60.00で使用されている基準、九つの法令と二つの業界基準が表として示されています。

表に続いて、各基準の内容解説が書かれています。実際に内容は文書を読んでください。

表には、管理対象基準のIDや略号、法令や業界基準の名称が書かれています。また、この表で重要なのは、Ver.2.60.00での対象範囲という項目で、いつの法令やどのVer.までの業界基準で管理対象基準が作られているかということが書かれています。

各基準の内容解説は、
(1)概要
(2)更新
(3)chemSHERPAでの物質の区分
(4)法規における閾値とchemSHERPAの成分情報の閾値の考え方
(5)参考URL
の順で書いてあります。

法規制の実際の内容を見るには参考URLが便利です。また、(3)、(4)にはchemSHERPAにおいてはどのように取り扱うのかが書かれていますので、かなり重要です。

3.2 検索用物質リスト

検索用物質リストは、上にも書いたようにchemSHERPAデータ作成支援ツール上では組み込み情報として保持されており、検索窓で検索するためのリストです。

3.2.1 各法規制・業界基準の対象物質の抽出

ここには、表3-3 管理対象物質Ver2.06.00の各法規制・業界基準の対象物質の情報源というのがあり、各々の基準のリストをどこから持ってきているかのURLが載っています。オリジナルが何か載っているということは、非常に重要と思います。

これらのリストから自力で法対応物質リストを作るのはとてつもなく大変です。その点chemSHERPAは、管理対象基準の範囲内であれば、法令や業界標準の更新が自動的(いやそれを管理している委員会の人たちは大変なんですけどね)に行われます。

それが無料で利用できるということには、ちゃんと感謝しましょう。

3.2.2 化学物質群についての個別物質への展開

次に、法令などで特定の化学物質ではなくて物質群で書いてある場合、もしくは例示物質であった場合、これらをどのように個別物質に展開していくかということが書かれています。

また、【表3-4 対象が化学物質群であった場合に、「展開対象化学物質群」該否の判断、
表3-5 Ver2.06.00で展開対象化学物質群とし、かつ展開可能な物質群一覧】が記載されています。

この辺りまでくると、一般のchemSHERPAのユーザーは、意識せずに使用していい部分だと思いますが、実際には評価した結果が反映されているのだということです。

3.2.3 独自番号の付与

CAS番号が取られていない物質で、かつ管理対象物質に当てはまる場合には、chemSHERPAの独自番号SN-xxxが付与されます。

この点の説明がこの項目には書かれていますが、ここまで確認している人は、化学物質に詳しい人でないかと管理人は思います。

3.2.4 その他補足説明

ここには、塩素化パラフィンの分類と4MBCの補足説明があるのですが、ここまでくるとほとんどこれらの物を個別物質として取り扱っていないと分からないレベルです。

川中、川下の企業が自ら判るようなものではありません。

3.3 利用上の注意

実は、この利用上の注意には非常に重要なことが書かれています。

・化学物質は、標準命名法だけではなく慣用名や商品名が数多くあり、それらの名前ではchemSHERPA上で必ずしも検索できないこと
・物質展開は完全を目指しているわけではないので、検索用物質リストに含まれていなくても管理対象物質になる可能性があるものは存在する
などです。

これを読んだ皆さんは、それじゃchemSHERPAを使った情報伝達は、不完全なんじゃないのと思ったかもしれません。

はっきり言えばその通りです。でも、もともと化学物質の情報伝達は、会社の管理ルールに従ってできうる限りの最善の手段を使って行うもので、完璧を目指すものではありません。

4. Ver2.05.00からの更新内容

ここには、Ver.2.06.00の場合、題名通りVer2.05.00からの更新内容が書かれています。

今回でいえば、china RoHSが加わったとか、新たに加わった物質はなんだとかです。

この部分は、いわゆるVer.の更新による差分が書かれる場所なので、多分もうすぐ出るであろう、chemSHERPA Ver.2.07では、完全に書き換わる部分です。

ですので、新たなVer.がリリースされたら確認しておくのが良いでしょう。

次回から別の文書

Explanation_of_chemSHERPA_Declarable_Substances_Ver2.06.00_JP(chemSHERPA管理対象物質Ver2.06.00説明書)の解説は、今回で終了です。

次回からは、別の付属文書解説になりますが、かなり先になりそうです。

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コメント

  1. kobayashi より:

    管理人さん

    ご無沙汰いたしておりました。一時期はずれておりましたが、この業務に戻ってまいりましたのでまたお世話になることと思います。

    さて、本日JAMPよりchemSHERPAユーザーズミーティングの案内メールが届きましたが、そこにアジェンダがあり、次の通りでした。

    <アジェンダ(予定)>
    1.chemSHERPA V2.5(仮称)の計画について (30分)
    2.chemSHERPA V2.5(仮称)データ作成支援ツールの概要 (30分)
    3.2023年度普及委員会の活動計画 (10分)
    4.Q&A(20分)

    V2.5とは?
    何のことやら情報が管理さんの元に届きましたら、ぜひお教えください。

    • OFFICE KS より:

      kobayashi様、コメントありがとうございます。管理人です。
      管理人の所にもchemSHERPAユーザーズミーティングの案内メールは来ておりますが、当方JAMP会員ではないため詳細情報はわかりません。
      ミーティングに参加する予定もないです。ですので、参加される方よりも情報弱者になると思われます(^^;。

      管理人は、V3になると思っていたので、何とまた中途半端なバーションをと思ったりしています。
      時間経過があまりないうちにV3になっちゃったら嫌ですよね。

  2. ステップ より:

    今年もどうぞ、宜しくお願い申し上げます。『緑の仲間』です(笑)。

    >・物質展開は完全を目指しているわけではないので

    大手様にchemSHERPA『+α』の口実を与えているようにしか見えないのは、弱小企業に勤務しているモノの僻みですかねぇ。
    それでなくとも+αの要請が増えつつあり、その難易度が上がってきている感じがします。

    逆に。12月に行われた「chemSHERPA普及に向けた意見交換会」では、大手様からのご意見で、「川上(中小企業)のレベルが低すぎる。経産省(JAMP)主催で、スキルを上げてほしい。」というキビシイご意見が結構ありました。

    そーゆー大手様には、「経産省からの通達があり、完全を目指しているわけではないので。」とでも言ったらいいのでしょうか(w

    • OFFICE KS より:

      ステップ様、コメントありがとうございます。管理人です。
      経産省(JAMP)主催で、スキルを上げてほしい。
      ですが、chemSHERPAは、経産省はもう手を引いているというのが管理人の認識です。民間でやってねがスタンスだと思います。
      JAMP主催でスキルを上げてねというなら、JAMPの事務局や手弁当の委員の人は会員を増やす努力をするか、金をどっからとってこないと無理だと管理人は思います。
      そして、本来なら頼んでいる企業自ら教育などする必要があると思います。
      chemSHERPAはドキュメント(文書)があるじゃないかと言ったって、普通の人が全部読んで理解するのは結構至難の業だと管理人は思うんですけどね。

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