2023年8月度 chemSHERPA普及度調査結果が公開されました

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既に、かなり前になってしまいましたが、2023年11月10日、chemSHERPA HPに2023年8月度 chemSHERPA普及度調査結果が公開されました。

これは、chemSHERPAのユーザーに対して行われるアンケートですのでその分バイアスがかかっていることを認識しておきましょう。

最近は、年に1回実施予定となっています。また、chemSHERPAの委員会活動の参考にするとなっています。

実際の内容は報告を見ていただくとして、気になった部分に言及します。

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調査結果の内容

調査結果の内容は、

  1. 様式の普及度調査
  2. V2R1セミナーへの要望
  3. リサイクルに関する調査の状況
  4. 自由意見

となっています。

様式の普及度調査

ここでは、2022年度7月の調査との比較が行われています。

川上・川中企業が依頼されている様式(現状)は、chemSHERPA形式が95%なのは当然として(そりゃ、chemSHERPAユーザーに聞いてるからね)、不使用証明書が7割越え、独自様式が5割越えとなっていて、その傾向は変わっていません。

ということは、chemSHERPAですべては賄えない状況は変わらないということになります。

川上・川中企業が依頼されている様式の変化(1年前に比べて増えたか、減ったか)の質問もされていますが、古いAISやJGPが減るのは当然ということができます。独自様式や不使用証明書は増えていると感じているようなので、工数は今より減る方向ではないですね。

川中・川下企業が依頼している様式(現状)もほぼ変化がないので、これじゃ変わらないのも当然です。

この後、自動車互換になった場合の将来の様式についての質問もあるのですが、今後のことなので詳細は割愛します。調査結果をお読みくださいなのですが、互換になっても独自様式などが残る理由として

  1. chemSHERPAやIMDSが難しい。回答取得に時間がかかる。海外取引先から入手できない。
  2. 客の動向次第
  3. chemSHERPA、IMDS以外の管理物質、顧客指定物質が存在する
  4. chemSHERPAの物質収載タイミングが遅い
  5. chemSHERPAでは証明にならず、裏付けが必要

が上位に挙げられています。実際上、独自様式が完全になくなることはほぼ無いと予想します。

V2R1セミナーへの要望

chemSHERPAの次期バージョンであるV2R1は、2024年9月頃リリースされる予定で、自動車業界への対応が行われます。

「自動車業界向け全成分情報を追加」「複数階層表記に変更」が予定されています。

ここでは、個々の内容は紹介されていないので省略します。

リサイクルに関する調査の状況

自動車業界のIMDSでは材料のリサイクル率などが求められます(各種自動車リサイクル法を満たすため)が、それ以外にリサイクルの調査があるかという質問がなされています。

その結果は、80%の企業で調査は無いとなっており、調査があるという企業でもその割合は10%以下という結果になっています。

今後は、資源循環の件がいろいろと取り上げられるでしょうから、段々増加していくのではないかと管理人は予想します。だた、ある程度の回答ルールは、始めに作っておかないと化学物質のようになってってしまうことが予想されますので、業界横断の研究会などが開催されるといいんですけどね(欧州のサーキュラーエコノミーの件もありますし、省庁の縦割りじゃなくさあ、と言っても無駄でしょうかね)。

自由意見

自由意見には、入力支援ツールの要望が一番多いですね。CI→AI変換ツール、EXCEL簡易入出力などですが、これは、実際に使っている現場の人の意見だと思いますので、何とかしてあげて欲しいものです。

chemSHERPAに一本化してほしいとの要望もあるようですが、これを全部かなえるのは相当困難だと思います。

知識が低い、教育を充実してほしいという回答は、個人的には、理解はできますが、でも本質は「それは頼んでるあんたの仕事でしょ!」と言いたくなります。

その他にも色々なことは書かれているので、読んでみるとこの部分は面白いと思います。いろいろな意見があるので、これを統合してそれなりにみんな納得するのってできないんじゃないのという結論になってしまいそう(^^;。

まとめ

今回は、chemSHERPA普及度調査について好き勝手なことを書きました。

ですが、この調査において、コメントもいただきましたが、昨年と傾向はほとんど変わっていないという結論になっています。今の状況だと今後も変わらないでしょうね。

さらに自動車業界に対応するV2R1がでると回答はさらに複雑になるでしょう。頼む人たちは、それなりの教育をする覚悟を持って臨まない限り、変わらないと思うというのか管理人の感想です。

自力で、教育やマニュアル、さらには質問回答受付窓口を持てるような会社はそれでいいですが、そんな会社は少ないでしょう。ですので、研修や教育の機会は必要です。

化学物質の情報伝達は、依頼側がどうしても強くなりがちですが、契約に基づき頼んでいるならば、受け手が知らないことに関しては、少なくともどうするのかの道筋を示す、および質問を受けた際には回答する必要があると思います。投げっぱなしはありえないです。

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コメント

  1. 一般ケミスト より:

    いつも大変参考にさせていただいています。
    過去に取引先からchemSHERPAでの情報伝達を求められたことがあり、なんぞやでこのサイトにたどり着きました。
    当時は化学品(主に化粧品原料)にはこうしたスキームがないので、もし使えればと思ったのですが、電子機器産業が出自なこともあってちょっとちがうのかなといった印象でした。

    どの業界でも独自様式ってなかなか減らないのですね。
    安衛法関係で、SDSの適法法令を見てもらえればすべて書いてありますって説明しても、結局指定フォーマットでないと困るといって一歩も譲らず。
    そういうのに限ってExcel方眼紙だったりするので本当手間がかかります。

    • OFFICE KS より:

      一般ケミスト様、コメントありがとうございます。管理人です。いろいろあってお返事が遅れてしまいました。
      Excel方眼紙?おお、まだそんなフォーマットも流通しているのですね。独自フォーマットは、まあ、すぐには絶対無くならないだろうなと管理人は思っています。
      何せ、関わる法律が違う場合も多いですからね。
      業界での標準化の活動も必要かと思いますね。chemSHERPAでOKなところは多少は楽になってるでしょうから。

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