REACH 制限物質:Entry76 N,N-dimethylformamide:(その70)

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前回、REACHの制限物質について記事にしたのは、REACH 制限物質:Entry23 カドミウムとその化合物:(その69)で2022年12月のことでした。

それから、約1年半たって、REACHの制限物質についても物質が追加されたり内容変更されたりしています。

そこでこれから数回、少なくとも追加された物質について記事化していくことにします。

今回はREACH 制限物質(その70)は、Entry76のN,N-dimethylformamideです。

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Entry76 N,N-dimethylformamideの基本情報

では、まずEntry76のN,N-dimethylformamideの基本情報を見ていきましょう。

化学物質名:N,N-dimethylformamide
和名:N,N-ジメチルホルムアミド
別名:DMF、Formyldimethylamineなど
化学式:C3H7NO
分子量:73.09
構造式:
CAS RN : 68-12-2
EC No.: 200-679-5

Entry76 N,N-dimethylformamideの危険性何か

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は胎児に障害を与える可能性があり、皮膚に接触すると有害であり、眼に深刻な刺激を与え、吸入すると有害とあります。

更には、生殖能力にダメージがあり、可燃性の液体および蒸気です。

日本の職場のあんぜんサイトによれば、上記の他に、遺伝性疾患のおそれの疑い、発がんのおそれ、肝臓の障害、呼吸器の障害のおそれ、長期にわたる又は反復ばく露による肝臓の障害の可能性が指摘されています。

Entry76 N,N-dimethylformamideはどこに使われているのか

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質はREACH規則で登録されており、年間10,000トン以上、欧州経済領域で製造または輸入されています。

この物質は、消費者用の化学物質として使われているデータはない。

この物質は、実験用の溶剤としても使われる、またpH調整剤、水処理剤に使用される。

それと他の物質を作る際の中間体としても使用される。

またこの物質は、接着剤およびシーリング剤、コーティング製品、皮革処理製品、植物保護製品、実験用化学物質、香水および香料、医薬品、ポリマー、繊維処理製品および染料に使用される。

更には、繊維、皮革、毛皮、プラスチック製品、鉱物製品(石膏、セメントなど)、家具の製造に使用される。

一方、NITE CHRIPによれば、用途としてウレタン系合成皮革,分析化学用・有機合成用溶剤が挙げられている。

更には、溶剤[ウレタン系合成皮革用, スパンデックス繊維用分析化学用 (溶媒,ホルミル化試薬),染料中間体・農薬・医薬合成用,各種ポリマー用(アクリロニトリル型重合体,ウレタン樹脂等), 特殊インキ,繊維製品プリント用(リンタングステン酸と化合したローダミンやビクトリアブルーなどの色素を溶かす)],触媒(セルロースのアセチル化),ガス吸収剤 (ブタジエン,アセチレン,エチレン,プロピレン,亜硫酸,硫化水素,青酸,三フッ化ホウ素,無水硫酸)との記載がある。

制限条件

Entry76 N,N-dimethylformamideの制限条件は、以下のようなものです。

1. 2023年12月12日以降、製造者、輸入者、川下使用者が、関連する化学物質安全性報告書および安全 性データシートに、労働者のばく露に関する派生無影響レベル(DNEL)を、吸入ばく露については 6mg/m3、経皮ばく露については 1.1mg/kg/日と記載しない限り、0.3%以上の濃度で、物質単体、他の物質の構成成分、または混合物として上市してはならない。

2. 製造者及び川下使用者が適切なリスク管理措置を講じ、労働者のばく露が第 1 項に規定する DNEL 未満となるような適切な作業条件を提供しない限り、2023年12月12日以降、0.3%以上の濃度で、物質単体、他の物質の構成成分として、または混合物として製造、使用 してはならない。

3. 第1項および第2項への適用除外として、第1項および第2項に規定された義務は、繊維および紙材料の直接ポリウレタ ンコーティング工程またはポリウレタン膜の製造工程における溶剤としての使用または使用のための上市に関しては2024年12月12日から、合成繊維の乾式紡糸工程および湿式紡糸工程における溶剤としての使用または使用のための上市に関しては 2025年12月12日から適用される。

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