REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(7)

広告
「スポンサーリンク」

今回は、REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(7)です。

前回のREACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(6)では、Dioctyltin dilaurate, stannane, dioctyl-, bis(coco acyloxy) derivs., and any other stannane, dioctyl-, bis(fatty acyloxy) derivs. wherein C12 is the predominant carbon number of the fatty acyloxy moietyという呪文のような物質がSVHCに加わったことだけ書きましたが、今回と次回でその構成内容に展開された物質を見ていきたいと思います。

今回は、展開され含まれている物質Dioctyltin dilaurateです。

第24次SVHC Dioctyltin dilaurateの基本情報

では、まずDioctyltin dilaurateの基本情報から行きましょう。

化学物質名:Dioctyltin dilaurate
別名:ジオクチルビス[(1-オキソドデシル)オキシ]スズ、ジオクチルスズジラウレート、ジ-n-オクチルスズジラウリン酸塩、Bis(lauroyloxy)dioctylstannane、Dioctylbis[(1-oxododecyl)oxy]stannane
化学式:C40H80O4Sn
分子量:743.77   
構造式:
CAS RN:3648-18-8
EC No.:222-883-3
融点 17-18℃

いわゆる常温というか室温25℃であれば液体になっています。分子量がずいぶん大きいのに液体なんですね。

有機スズ化合物ということで、日本では安衛法のラベル表示・SDS交付義務対象物質であり、化管法のPRTR届出対象物質です。

Dioctyltin dilaurateの危険性は何か

Dioctyltin dilaurateは、ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は胎児に損傷を与える可能性があり、長期または反復暴露によって臓器に損傷を与える可能性がありますとなっています。

SVHCに加えられた理由が生殖毒性ですから、当然そうなりますね。それ以外の毒性に関しては明確なものがよくわかりませんでした。

どんなところに使われるのか

Dioctyltin dilaurateは、Substance Infocardによれば、欧州域内で年間100~1000t製造や輸入されています。

消費者用品では、接着剤やシーラントに使用されています。

そのほかに、色々なものから環境中に低濃度で放出されています。建材や家具、玩具、紙や電子製品、織物や皮製品などから放出されます。

また以下のような製品に使用されています。接着剤およびシーリング剤、コーティング製品、紙の化学物質および染料、ポリマーおよび繊維処理製品および染料など。

また製造事業所では、

ポリマー、接着剤およびシーラント、コーティング製品だけでなく、金属表面処理製品、非金属表面処理製品、紙用化学薬品および染料、ポリッシュおよびワックス、繊維処理製品および染料、洗浄およびクリーニング製品、充填剤、パテ、プラスター、モデリング粘土、pH調整剤および水処理製品、皮革処理製品などに使用されます。また、他の物質の製造(中間体の使用)にも使用されます。それに、プラスチック製品やゴム製品の製造に使用されます。こんな沢山の分野で使用されているんですね。今もそうなのかはよくわかりません。

日本のCHRIPでは、用途として塩ビ用安定剤とシリコーン用触媒が上がっています。なんとなくこちらは理解できます。

この物質は、現状どこにどの程度使用しているのか管理人はよくわかりません。なんとなく一昔前はいろいろなところに使用していたんだろうなと思える程度です。

広告
REACH
「スポンサーリンク」
シェアする
OFFICE KSをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました