REACH 制限物質については、最近あまり更新していませんでした。
新たな物質が増えても、ちょっと放置状態でしたので少しづつ書いていきます。
今回(その74)は、Entry80のN,N-dimethylacetamide (DMAC)です。
早速見ていきましょう。
Entry80 N,N-dimethylacetamide (DMAC)の基本情報
では、まずEntry80のN,N-dimethylacetamide (DMAC)の基本情報を見ていきましょう。
化学物質名:N,N-dimethylacetamide
和名:N,N-ジメチルアセトアミド
別名:N-Acetyldimethylamine、DMAC、DMAなど
化学式:C4H9NO
分子量:87.12
構造式:
CAS RN : 127-19-5
EC No.: 204-826-4
常温では、刺激臭のある液体です。
Entry80 N,N-dimethylacetamide (DMAC)の危険性は何か
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は胎児に障害を与える可能性があり、皮膚に接触すると有害であり、吸入すると有害とあります。
また、生殖能または胎児に障害を与える恐れがあり、眼に対する重度の刺激を引き起こします。
日本の職場のあんぜんサイトによれば、上記の有害性に加えて、更に引火性液体であり、特定標的臓器毒性(単回ばく露、反復ばく露の両方)があるとされています。
Entry80 N,N-dimethylacetamide (DMAC)はどこに使われているのか
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、欧州域内で製造輸入され、10000t~100000t 流通しています。
消費者用途には、使用されませんが、専門業者では広範囲に使用されるとあります。
実験室用化学薬品、pH調整剤、水処理製品の製品に使用されます。
そして以下の分野で使用されます:科学研究・開発、医療サービス。
そしてこの物質は、機械・車両、その他の製造に使用されます。
更には、工業施設における加工助剤としての使用、および他の物質のさらなる製造における中間段階(中間体の使用)があります。
工業現場や調合においては、実験室用化学薬品、pH調整剤、水処理製品、コーティング製品の製造に使用されます。
一方、NITE CHRIPによれば、用途として反応溶媒,精製溶剤,樹脂溶剤が記載されています。
制限条件
Entry80 N,N-dimethylacetamide (DMAC)の制限条件は以下のようなものです。
- 2026年12月23日以降、単体物質として、他の物質の構成成分として、または混合物中に0.3%以上の濃度で含有される場合、
輸入業者及び下流利用者が、関連する化学物質安全性報告書及び安全データシートに、労働者への曝露に関する無影響レベル(DNEL)として、長期吸入曝露については13mg/m³、長期経皮曝露については1.8mg/kg体重/日を記載している場合を除いて、
市場に流通させてはならない。 - 2026年12月23日以降、単体物質として、他の物質の構成成分として、または混合物中に0.3%以上の濃度で含有される場合、製造者及び下流利用者が適切なリスク管理措置を講じ、労働者の曝露が第1項で規定されたDNELを下回ることを確保するための適切な操作条件を提供しない限り、製造又は使用してはならない。
- 第1項及び第2項の規定にかかわらず、人工繊維の製造における溶剤としての使用を目的とした市場投入又は使用に関しては、当該義務は2029年6月23日から適用される。

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