REACH 制限物質(その23):Entry47 SVHCだらけ

REACH 制限物質(その23)は、Entry47のChromium VI compoundsです。

今回の物質は、六価クロム化合物なので、複数というか沢山の化合物が存在します。化合物はいちいち書けないので、省略します。

Entry47 Chromium VI compoundsの基本情報

Entry47のChromium VI compoundsはいくつもの化合物が当てはまるため、基本情報である、分子式や分子量、CAS RNなどを書くことはできません。

日本語では六価クロム化合物と呼ばれるのが一般的です。表現としてはCr(VI)と書かれたりします。クロムにはほかにCr(III)と書かれる三価クロム化合物が存在します。

六価クロム化合物の代表的な存在である二クロム酸カリウムは、化学式 K2Cr2O7 で表され、管理人が扱っていた頃は重クロム酸カリウムと呼ばれていました(今でも呼んでいるところが多いと思う)。この物質は、赤橙色の結晶で強力な酸化剤です。

Entry47 Chromium VI compoundsの危険性は何か

次にEntry47 Chromium VI compoundsの危険性について見ていきましょう。複数の化合物があるので、今回は、二クロム酸カリウムを例に説明します。

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、
この物質は吸入すると致命的、飲み込むと有毒、重度の皮膚火傷および眼の損傷を引き起こす、遺伝的欠陥を引き起こす可能性がある、がんを引き起こす可能性がある、生殖能力を損なう可能性がある、および胎児に損傷を与える可能性がある。長期的または反復的な暴露により臓器に損傷を与える、水生生物に非常に有毒である、水生生物に非常に有毒で長期的な影響を与える、火災を激化させる可能性がある(酸化剤)、皮膚に接触すると有害である、アレルギー性皮膚反応を引き起こす可能性がある、吸い込むとアレルギーや喘息の症状や呼吸困難を引き起こす可能性がある。
と書かれており、さしずめ、危険性のオンパレードになっています。

更に、日本の職場のあんぜんサイトにおけるSDSでは、飲み込むと生命に危険とも書かれています。

というわけで、六価クロム化合物は非常に危険性の高い物質です。このため六価クロム化合物のうち12物質(多分世の中で使用されている六価クロム化合物の大部分)は、SVHCであり、認可物質にもなっています(REACH規則 ANNEX XIV 収載)。

日本においても、化管法の特定第一種化学物質であり、安衛法では特化則によって管理される物質であり、毒劇法の劇物です。更には、各種汚染防止法において有害物質に指定されています。

どこに使われているか

では、どこに使われているかということも、二クロム酸カリウムを例に見ていきます。

Substance Infocardによれば、この物質は、欧州域内で100-1000t/yで製造もしくは輸入されています。

実験用化学薬品、pH調整剤、水処理製品として使用されるとともに、金属表面処理製品、医薬品、繊維処理製品、染料にも使用されるとあります。また、他の物質を作る際の薬剤として使用されることも多いと思います。

NITEのCHRIPには用途として、マッチ・花火原料,媒染剤,分析用試薬,酸化剤との記載があります。

制限条件

Entry47 Chromium VI compoundsの制限条件は以下のようなものです。

  1. セメントおよびセメントを含む混合物は、水和した状態で、セメントの総乾燥重量の2mg/kg(0,0002%)を超える可溶性六価クロムを含む場合、市場に出したり、使用したりしてはならない。
  2. もし、還元剤が使用されている場合、物質および混合物の分類、包装、表示に関する共同体の他の規定の適用を妨げることなく、供給者は、市場に出す前に、以下のことを確実にしなければならない。還元剤の活性を維持し、可溶性6価クロムの含有量を第1項に示された限界値以下に保つために適切な保管条件および保管期間が記載されているとともに、セメントまたはセメントを含む混合物の包装に、包装日、保存条件、保存期間などの情報を目視、判読、不可視で表示すること。
  3. 第1項および第2項は、セメントおよびセメントを含む混 合物を機械のみで取り扱い、皮膚との接触の可能性がない、 管理された閉鎖された完全に自動化された工程のために上市さ れ、使用される場合には適用されない。
  4. セメントおよびセメントを含む混合物の水溶性クロム(VI)含有量を試験するために欧州標準化委員会(CEN)が採用した規格は、第1項への適合を証明するための試験方法として使用する。
  5. 皮膚に接触する皮革製品は、その皮革の総乾燥重量の3mg/kg(0,0003重量%)以上の濃度の6価クロムを含む場合、市場に出してはならない。
  6. 皮膚に接触する革部品を含む製品は、その革部品のいずれかが、その革部品の総乾燥重量に対して3mg/kg(0.0003重量%)以上の濃度で6価クロムを含む場合、市場に出してはならない。
  7. 第5項および第6項は、2015年5月1日以前にEU内で最終使用されていた中古品の市場への投入には適用されない。

ということで、セメントと皮製品に対する制限になっています。

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