EU規制の動向について

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しばらく規制の話を記事にしていませんでしたが、欧州は、循環経済の戦略に則り各種規制の改正などに乗り出しています。

今回は、それに関係すると思われる各種規制の改正について概観していきましょう。

今後、特に化学物質が関係すると思われる規制については、個々に内容を確認して行きたいと思っています。

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電池及び廃電池規則

通称、電池規則(REGULATION (EU) 2023/1542)は、2023年7月に公布され、8月から適用開始されました。以前の電池指令(Directive 2006/66/EC)は廃止され、その後に追加された電池に関する指令などは改正されることになります。

以前の指令(Directive)と異なり、今回のものは規則(Regulation)なので、EU加盟国で統一適用されます。

本ブログでは、電池に関しては取り扱ってきませんでした。管理人が不得意と言うこともあるのですが、、電池はエネルギーの塊のようなものなので、各国で厳しい規制がしかれています。
とても、内容に入ることができません。

と言うことで、ここでは紹介のみです。

また、2023年8月から適用開始とは言え、新たに加わった規制内容などは、段階を踏んで導入される予定です。
まだ導入前のものもありますが、準備はしておかなければなりません。

改正廃自動車指令

廃自動車指令(Directive 2000/53/EC)は、現在欧州で改正の議論が進められており、規則化する動きになっています。

2023年7月に「廃自動車規則案(Proposal for a Regulation)」が提出され、現在議論にかけられています。

ただ、自動車業界は強力なロビー団体を持っていますので、一筋縄ではいかないでしょう。

以上の2つは特定業界の会社の方しか関係ないかもしれませんが、以下の規制に関するものは多くの会社が影響を受けると考えられます。

包装材及び包装廃棄物規則

通称、包装材規則(REGULATION (EU) 2025/40)は、以前の包装材指令(Directive 94/62/EC)に代わって施行される規制です。

この規則は、2024年の12月に成立しましたが、実際の施行は2026年8月12日になっています。その間の移行期間に関する内容も書かれています。

こちらも以前は指令だったのですが、規則になっています。この規制に関しては、影響のある産業は多いと思いますので、今後内容を見ていく予定です。

ですが、管理人のことですからゆーっくりとしたペースになるでしょう。これ以外の規制に関しても同様です。

エコデザイン規則(ESPR)

通称、エコデザイン規則(ESPR)(REGULATION (EU) 2024/1781)は、2024年6月に公開され7月に施行されています。

この規則によって、以前のエネルギー消費製品に焦点が当てられていたエコデザイン指令(ErP指令)(Directive 2009/125/EC)は、廃止されました。とは言え、移行に関する内容は、エコデザイン規則(ESPR)に書かれています。

この規則は、今までより大幅に広い範囲の製品を対象にしています。消費者向け製品だけでなく金属や化学品といった通常材料や中間品と考えられるものも対象にされています。

これらの製品に対してエコデザイン要件(例えば、製品の長寿命化やリサイクル性、カーボンフットプリントなどの環境性能、などなど)が決められ、その情報をデジタルプロダクトパスポート(DPP)に保持しなければなりません。なので、エコデザイン要件が決められる製品は、非常に大きな影響を受けることになります。

しかしながら、現時点ではまだこの規則は、実効的な状態にはありません。と言うのもグループ分けされた製品に対して、エコデザインの要件が、委任細則と言う形で決められるからです。

どの製品のエコデザイン要件を最初に決めるか、実際どんなエコデザイン要件にするかと言うことは、エコデザインフォーラムと言う検討会のようなもので決められます。

実際にエコデザイン要件が委任細則として決められるまでには、従来のエコデザイン指令の対象製品以外は、しばらく時間がかかるでしょう。2027年以降に決まるのではないかと予想されています(実際の規制はさらに先)。

この規則は、これからEUに製品を売るに際して大きな影響を持つ規則と考えられます。新たな仕組みも導入されることになります。この規制についても今後見ていく予定です。

他にもまだある

EUは、このように循環経済に対応した規制強化に乗り出しています。上記のものは、管理人の扱っている分野に近い規制を示していますが、実際には他にもあります。

今回は、EUの状況を概観しましたが、今後は、ゆっくりとしたペースで、まずは包装材規則、次にエコデザイン規則の内容を見ていきたいと思います。

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